水稲 イネミズゾウムシ
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病害虫情報 : 2012/10/18
高知県 病害虫・生理障害台帳

成虫と食害痕

被害株;成虫による食害

幼虫と土繭;根部に寄生する

被害発生圃場
作物名
水稲
一般名称
イネミズゾウムシ
学術名称
Lissorhoptrus orizophilus
Kuschel
症状
成虫は主として葉先や葉縁に近い所を、幅1mmたらず、長さ数mm~数cmの条状に食害する。葉表から葉裏の表皮を残して食害するので、白条となって残り、株当たり数匹寄生すると真っ白になることもある。
成虫は葉を食害した後、水面下の葉鞘の組織内に産卵する。ふ化幼虫は、葉鞘から離脱して土中に入り、若齢期はイネの根中に潜入して食害するが、中齢期以降は根から根へと移動し暴食する。このため、断根状態になって簡単に引き抜けるようになり、地上部の生育は不良となって、茎数も増加しない。また、寄生密度が高いと株絶えとなることもある。
発生条件
越冬は発生水田付近の畦畔、土手、山林などで成虫態で行う。本県では3月になると越冬場所付近のササ、チガヤ、ススキなどの新葉を摂食し、飛翔筋を発達させ、田植えが始まると水田に侵入してくる。本県の早期稲では4月中旬頃から侵入がみられ、ピークは5月上旬である。また、普通期稲では田植直後が侵入ピークとなる。
侵入した成虫は稲の葉を食害しながら、水面下の葉鞘の組織内に産卵する。ふ化幼虫は土中で根を食害しながら成長し、30~40日で老熟し、土で繭を作って蛹化、10日内外で成虫となり、土中から脱出する。
県内では6月中旬ころから新成虫(第一世代成虫)が発生するが、早い時期に羽化した新成虫は晩期稲(早掘りかんしょ、タバコ跡作など)があれば、さらにもう1世代経過する。
対策
(1)本種の要防除密度は株当たり約0.5頭であるので、この密度を超える場合は粒剤を本田散布して防除する。
(2)常発水田ではツマグロヨコバイなどとの同時防除を兼ねて、育苗箱施薬を行う。
(3)中、成苗移植を行えば被害が軽減できる。
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