なし ハマキムシ類
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病害虫情報 : 2012/10/17
高知県 病害虫・生理障害台帳

被害葉

被害果;果実どうしを綴って食害する
作物名
なし
一般名称
ハマキムシ類(なし)
学術名称
Homona magnanima
Diakonoff ほか
症状
なしを加害するハマキムシ類としては10数種が知られているが、主要なものはチャハマキ、リンゴコカクモンハマキ、アトボシハマキ、ミダレカクモンハマキの4種である。
被害は花芽がほころび始める3月下旬頃から見られ始める。この時期の被害は主にリンゴコカクモンハマキによるものである。その後、葉や幼果などを綴り合わせて次々と食害していく。
5月には次世代幼虫が発生し、若葉を好んで食害するが、一部は果実にナメリ状の食害痕を与える。この被害部は収穫期にはコルク状のかさぶたとなって残り、商品価値を著しく低下させる。
夏以降は、チャハマキなどが葉と果実あるいは果実同士を綴って、果面を浅く食害することがある。
発生条件
チャハマキは雑食性でなしの他、茶、かんきつなど30種以上の植物に寄生する。年4回発生し、成虫の出現時期は越冬世代が4月上旬~5月下旬、第1世代が6月上旬~7月中旬、第2世代が7月下旬~8月下旬、第3世代が9月上旬~11月中旬である。ふ化幼虫の最盛期は5月中旬、7月中旬、8月中旬、9月下旬であり、幼虫は主に硬化葉を綴り合わせて食害し、約30日で蛹になる。
リンゴコカクモンハマキはなしの樹上で幼虫態越冬する。本種も年4回発生し、ふ化幼虫の最盛期は5月下旬、7月上旬、8月上旬、9月下旬である。
アトボシハマキはなしの樹上で卵越冬し、年3回する。ミダレカクモンハマキも卵越冬するが、年1回の発生で、幼虫は4月中旬~5月中旬にのみ現れる。
対策
(1)なしでは多くの種が入り交じって加害するので防除時期は生育全期に及ぶが、主な防除時期は4月上旬、5月下旬、7月下旬、8月下旬及び10月上旬である。
(2)ハマキムシ類にはヒメコバチ科、コマユバチ科の有力な寄生性天敵が多数いるので、これらを滅殺しないように、薬剤散布は必要最小限に止める。
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