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4.栽培技術(キク)

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こうち農業ネット : 2012/10/31

1)秋ギクの電照抑制

ア.育苗

a.親株育成用母株の植え付け

 病害虫におかされていない健全で優良な株を選定し、それから採穂する。
母株は2~3月出荷用と同じ10月に挿し芽を行った苗を露地に植え付け、採穂まで露地で管理する場合と1~2月頃無加温ハウスに植え替え管理する場合とあるが、冬期の低温に十分遭遇させる必要がある。

採穂用親株の育苗管理


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▼挿し芽 ◎定植 ×摘心 

10a当たりの面積
 

母株の圃場面積   150m2

母株数 1000株 、 畦幅 135cm

株間15cm 、5条植え

採穂用の親株床   250m2

親株数 4000株 、畦幅 135cm

株間15cm 5条植え

母株1株あたり4~5本採穂し、親株とする。


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無加温ハウスに植え付け、整理した後の状態

(1月下旬の状態)


b.採穂用親株床の準備

 親株床は日当たりがよく、排水良好で風通しのよい場所に設置する。植え付け前に土壌消毒をし、基肥を10a当たり窒素成分で約17~18kg施用する。

c.採穂用親株の挿し芽

 採穂用親株の挿し芽は親株の本圃への定植時期から逆算して決める。無冷蔵の場合は90日前となり、冷蔵する場合は、その冷蔵日数だけ早く挿し芽する。
 


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(左)採穂の様子
(右)採穂用親株の挿し芽

 2月出し以降の育苗に用いる親株は、11月出し用の苗を育苗する際の第1回摘心で得られる穂を挿して更新する。

d.採穂

 採穂の2~3日前には消毒する。健全で充実した穂を確保するため、採穂は晴天が続いた日の夕方に行う。無摘心栽培では苗が10a当たり36,000~37,000本必要である。このため、44,000~45,000本の穂を用意する。親株1株当たり約11~12本を目安に採穂する。摘心回数2回目が最も充実して揃った穂が得られるので、2回摘心を基本に3回目まで採穂する。
自然日長下での採穂限界は8月20日前後である。安全を見込んで8月上旬からは暗期中断(3時間)を行い、採穂する。

e.穂冷蔵、苗冷蔵

 冷蔵には穂を冷蔵する場合と発根苗を冷蔵する場合とあり、前者を穂冷蔵、後者を苗冷蔵という。
冷蔵には二つの目的がある。一つは穂や苗を単に貯蔵するために、もう一つはロゼット打破や草丈の伸長促進、開花促進を図るために行われる。冷蔵温度は両者とも2~3℃。
貯蔵のための場合は冷蔵は必要な期間行うが、後者の目的のためには最低30日以上の期間が必要である。
ただし、冷蔵期間が長くなると冷蔵中に腐敗したり、「秀芳の力」では定植後に芯止まりの発生割合が高くなったりするので、30~35日が適当である。

f.挿し芽

 挿し穂は一般的に展開葉3枚、長さ10cm前後に調整したものを用いる。
 畦の上に透水性のよい防根シートを敷き、木枠で囲んで挿し床を作る。用土は排水、保水性の良い資材(パーライトやグリーンサムピートなど各1袋)と赤玉土や鹿沼土を3:1の割合で混ぜたものを使う。


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挿し芽している様子

 挿し芽床は30m2確保する。畦幅100cmに株間5cm程度に挿していく。 1列当たり20本程度挿す。その後不織布(ラブシート)でべたがけする。
 発根を良くするために、発根剤(オキシベロン)の液剤(100倍)を切り口に瞬間浸漬する。
発根するまでは黒寒冷紗等で遮光し、発根を促す。発根後は光合成を促すため、徐々に光にならす。

イ.本圃の準備

 土壌診断結果に基づき施肥を行う。基肥は10a当たり窒素成分で20kg程度施用し、よく耕耘し畦幅135cmに畦立てを行う。その後、土壌消毒を行う。

ウ.定植

 挿し芽から定植までの日数は12日が適期である。これ以上長くおくと苗が老化し、定植後の活着および生育が不揃いとなるので注意する。


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定植適期苗の状態


 定植前に15cmマス5目のフラワーネットを張り、中央を1マスあけた4目に2本ずつ千鳥に植え付ける。
 


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(左)苗を適当に配る
(右)フラワーネット1芽に2本ずつ植える


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定植終了


 「秀芳の力」は頂芽優勢が強いため摘心すると芽の揃いが悪く、また、二度切り栽培での芽の揃いもよくないので、無摘心栽培する。

栽植密度

秀芳の力

 

 

秀芳の力

床幅75cm、条間7.5cm、

株間7.5cm 8条植え


10a当たり、約36,000株



エ.定植後の管理

a.温度

 「秀芳の力」は花芽分化温度が17~18℃と高く、低温(13~14℃以下)・短日になるとロゼット化しやすい。このため、最低気温が13~14℃以下になる時期から加温を行い、ロゼットの発生を抑える。消灯の1週間前頃から温度を上げ、消灯時から3週間花芽分化促進のため18℃に管理する。その後13~14℃に下げ、破蕾期頃より16℃前後に上げる。日中は22~24℃を目安に換気を行い、できるだけ低い温度で管理する。

b.灌水

 定植後十分に灌水を行い、速やかに活着させ、初期生育をそろえる。その後は1週間を目安に乾いたら、灌水を行う。

c.追肥 

 生育を見ながら窒素成分で10kg程度行う。

e.ネットの引き上げ

 株の生育に応じて順次引き上げ、茎の曲がりを防止する。

オ.電照方法

 電照は50ルクス以上の照度が必要で、10m2当たり省エネルギー型の60Wまたは75Wの電球を1灯設置する。
電照開始は8月15日を目安とするが、曇雨天の続くときは8月上旬から開始する。電照時間は午後11時~午前3時までの4時間行う。
電照期間は「秀芳の力」では50~55日。
 


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消灯時の草姿

カ.再電照

 再電照は、上部になるほど葉が小さくなる「うらごけ」の防止、舌状花数の増加等に効果がある。一般には、気象条件が短日、低照度となる12月出し以降の作型に利用され、品質の向上に役立っている。消灯後10~12日して5日間の再電照を行う。さらに4日して3日間の再々電照を行う場合もある。日数については、品種、作型、温度管理によって異なるので、注意が必要である。

キ.摘芽、摘蕾

 花芽分化を始めると腋芽が伸長してくるので早めに取り除く。摘蕾は側蕾が小豆大になったら頂部の蕾だけを残し、側蕾を取り除く。


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摘蕾作業

ク.植物生長調節剤処理

 電照栽培では花首が伸びるので、それを抑えるためBーナインを使用する。散布は発蕾期および摘蕾期の2回、10a当たり65~70g散布する。



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Bナインを使わないと、花首が伸びている




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