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キュウリの抑制栽培-定植後の管理-

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こうち農業ネット : 2014/05/02

定植後の管理

定植初期の管理
 完全活着~12,13枚展葉期
 ブルームレス台木は根が弱く上根になり易いために、定植後は直ちに灌水し根鉢と畦土を密着させ活着を促す。天気をみながらこまめな灌水を行いながら日中のハウス内温度を極力下げて7~8枚目頃に活着させる。その後は根を深く張らすためと成りぐせをつけるために灌水を最小限に抑える。この際注意すべき点は葉に艶をなくさない事であり、晴天が続けば少量の灌水(夕方には乾く程度の水)と、ハウス内乾燥防止のために通路に散水し湿度を保ち健全な根張りを促し、しめ作りを徹底する。
 主枝の誘引は畦上1.4mの高さに針金を張り、これにテープを結び畦上にたらしておき、4.5~5枚頃までに誘引する、誘引が遅れつるを這わせると初期生育が悪く側枝発生が抑制されたり不揃いの原因にもなるので遅れないように行う。その後まき上げは7~8枚頃から直立に誘引する。

 12、13~15、16枚展葉期
 12~13節までしめ作りにより成りグセをつけた後は1回の灌水量をやや増し、昼夜温ともに外気温に極力近づけて生長の促進をはかる。生育が進むに従い草勢を強めてゆくが、15~16枚時の雌花の開花状態により栄養生長と生殖生長のバランスを確認して力枝の出す位置を決定する。生長点より6~7節で雌花が開花すれば下段力枝は8節目、中段は11節目を基準に残す。開花が4~5節の場合には6節と7節または7節と8節と連続して下段から強い枝を残す。反対に開花が遅れて8~9節で開花する場合には下段力枝を10節位まで上げて10節と11節から力枝を残す。

 15、16枚展葉期~摘心期
 生長点から雌花開花の位置を確認した後は摘心に向けて草勢を強めにするため、さらに1回の灌水量を増し、日中は換気を十分に利かして外気温に近づけ、夜間は9~10℃を目安に適温管理を行う。さらに摘心時に肥効が現れるように追肥を行い草勢を強める。しかしこの時点で注意すべき管理要点は1回の灌水量が多く、昼夜温が高すぎると大葉や節間が長くなり軟弱徒長になりやすいのでこまめな管理を行う。摘心は畦上から1.4mの高さを基準(18~20節)に草勢の強い状態で、しかも心が摘み易い大きさで行う。

 主枝雌花着果と整枝、摘葉
 親蔓に多く着果させると側枝の発生が弱くなるので、5~6節までの雌花と6節以上でも不良果は早めに除去し主枝着果率を40~50%で7~8果を目安とする。
 側枝は主枝の下位5節までは早めに摘徐し、それ以上の子枝は全節1節摘心を行うが、1節目に雌花がない場合には2節目を摘心する。摘心方法は目くら摘心とせず上段2~3本の出具合と強さを確認して摘み易い長さのとき行う。ただし摘み遅れにならないようにする。子枝は1節摘心とするために放任とし、さらに収穫と同時に元から切り取る。なお、雨の日に収穫する場合には必ず晴れた日に行う。
 孫枝で子枝摘徐前に発生する孫枝はできるだけ早く除去する。なお、力枝にでる孫枝についても早く除去する。
 

 摘葉については、台木の子葉はうどんこ病予防のため本葉10~12枚頃までに晴天の日に除去する。親葉の同化能力は展開後20日位で最大となり、35日以降は急激に低下するので老化葉、罹病葉、黄化葉、重なり合った葉などは1日に2枚を限度として行う。生育時期や草姿により摘心方法が異なるが、摘心前でも下段子枝に影となる過繁茂の状態になれば中段の親葉を早めに除き子枝に光をよく当てる。それ以降も順次中上段を摘葉し、二畦先で作業している人が見える位に適宜行う。天葉は草姿によるが草姿の強い場合には摘心時か一番果収穫までに除去する。力枝の摘葉は収穫果より3~4枚残して下段を順次摘葉する。


力枝の誘引
 前述のとおり草姿、草勢の状況判断で力枝を中下段から残すが、さらに上段から外側の針金に吊り易い状態の強い枝一本を残し3本の力枝を誘引し収量を確保する。
 力枝の誘因は主枝から30cm外側に吊り上げて絶対倒れないように垂直に行う。生長点が上段針金より上に出る状態になれば約30cm位吊り下げる。この作業を繰り返し行うが、両側を一度に吊り下げせずに、片側を交互に行う。節数が増すに従い畦上に着く状態になれば下段針金にくくりつけて地面に直接つけないようにする。なお吊り下げ作業で順次ずらしながら下げる場合にも下段針金に軽く結束しておく。
 


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力枝の誘引状況

温度、湿度
 摘心までの温湿度はそれぞれの生育ステージの項でのべたが、特に摘心前の生育ステージで夜温が下がりだして、夕方天窓を閉め始める頃の夜温管理で失敗する例があるので注意が必要である。

 この時期は生長も進み根が張り、しかも若いステージである為に天窓を閉めて朝方15~16℃維持されている状態では軟弱徒長につながる。徒長を抑えるためにはハウス内温度9~10℃を目安に天窓をわずかに開けて管理するか、夜中に閉める等のこまめな管理を行う。

 その後、摘心前後に外気温が急激に下がり霜注意報が出る状態でも加温機が準備されておらず9~10℃を保つことが出来ず生育バランスを崩すことがあるので注意し、加温機は早めに準備しておき加温する。二重カーテンは加温を行う11月下旬を目安に行う。
 摘心後の夜温は収穫量の増す時期まで10℃を維持し、その後は13℃~14℃を確保する。なおこの頃までの日中温度は午前中25~28℃、午後は25~18℃とし天窓を閉めて再び温度が上昇しないように管理する。


加温開始期の温度管理

  午前 午後 加温時
晴天 25~28℃ 25~20℃ 13℃
曇雨天 20℃ 15℃ 11~12℃

加温開始は外気温が10℃を割るようになった時期から始める。


天窓カーテンの開閉温度

 
天 窓 25~28℃ 18~20℃
カーテン 18~20℃ 15~16℃

 収穫盛期を迎える12月以降は、徐々に厳寒期管理に切り替えて行く。厳寒期は日照時間が短く、地温確保が困難となるのでこまめな温度管理を行う。地温が下がると根が弱り再生力に欠けるので下表の管理に努める。なお曇雨天日は必ず20℃以上で加温換気を行う。
 


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キュウリの根の伸び方
土の物理生がよいと根は深く伸び
、硬盤層に当たると横に伸びる

厳寒期の温度管理
 

  午前 午後 夜間
晴 天 27~28℃ 23~24℃ 最低13℃を確保
曇雨天 20℃ 18℃ 12~13℃


 湿度は午前中75~80%、午後は60%を目安にし、とくに午後の多湿をさけカラッとした状態にする。なお寒さが厳しく加温機が稼働し続けハウス湿度が極端に下がる場合(30%位まで下がる)には通路散水をして湿度を保つ。天候条件によるが乾燥状態が続けば、6~7日に一回程度行う。

灌水、追肥
 灌水は原則として晴天の午前中に行い、午後および曇雨天はさける。定植から摘心までは生育ステージ毎にのべたとおりであるが、特に天候変化をみながら少量多回数を徹底する。
 収穫期にはいると一回量を増すがその目安として最下段子枝の果実が8~10cmに肥大した頃とするが、多すぎると果実の肥大が遅れるので注意する。その後は定期的に行い12月以降になると根が肩の部分に多く張りだしてくるので丁寧に灌水する。
 厳寒期に一回量を多く行うと地温の低下にもつながるので間隔をつめて少な目に灌水する。
 追肥は摘心前に行いその後は主枝果実を見て、果実が真っ直ぐな状態の場合は遅れないよう早めに行う。主枝果実がやや湾曲しておれば収穫が始まってから行う。その後は定期的に5~6日おきに灌水と同時に施す。一回の施用量はチッソ成分で0.5~1.0kgとする。厳寒期に天候不順時でも定期的に追肥を行い草勢維持に努める。

摘果
 草勢や着果状況を見ながら曲がり果やクズ果、ダブル果、不良果は早めに行う。特に1,2月の厳寒期に成り疲れ等で力枝の伸長が衰え、生長点から3節以内で雌花が突き出して咲きだすと心止まりになるので早めに1~2ヶ摘果し心の伸長を促す。株当たりの果数は収穫果から開花まで常に13~16果を目安にして果実の肥大を促す。

草勢維持と品質低下防止対策
 後期の草勢の衰えは収量、品質を著しく低下さすが、これは収穫期に大きな収量の山(日量180~200kg)が数日間続いたりすると成り疲れしやすくなるので初期管理がポイントになる。年明け以降草勢が衰えた場合には、不用な孫枝や不良果、ダブル果を早めに摘徐し、一株当たりの着果数(収穫から開花まで)を少なくして株全体に光線を良く当て、午前中は27~28℃、午後は24~25℃を割らないように管理し、夜間は確実に13~14℃を保ち、さらにこまめな灌水と追肥を行って草勢の回復と果実の肥大促進を図ることにつとめる。

病害虫防除
 育苗期のアブラムシ、スリップス、苗立枯れ病、生育期のべと病、細菌斑点病、厳寒期の菌核病、はいいろかび病に注意し、薬剤および耕種的防除については病害虫防除の項を参照。

収穫
 出荷規格を基準とする。果実肥大の早いときは朝夕2回収穫し、丁寧に取り扱い鮮度保持につとめる。目標収量は2月末で10t、上品質80%を目標とする。








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