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キュウリの抑制栽培-育苗-

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こうち農業ネット : 2014/05/02

育 苗


 白いぼキュウリは栽培環境に対する適応性が低く、土壌伝染性病害に対する抵抗性も弱い、このため抵抗性を有する台木への接木育苗が前提とする。
 育苗期間は高温期であると共に台風のシーズンでもあるため育苗施設は補強に留意し、育苗管理には細心の注意をはらい充実した苗を育てる。

育苗専用ハウスの設置
苗の素質の良否はその後の生育、収量に影響を与える。したがって通風をよくし、健全な苗を育てるため、育苗ハウスは間口5.4~7.5mの単棟とし、屋根にはビニルを張って雨除けをし、サイドなど開口部には防虫ネットを張ってアブラムシやスリップス等の侵入を防ぐ。ただし、苗が軟弱にならないように、換気には十分注意する。
 育苗専用ハウスは10a当たり150平方メートルを準備する。

穂木移植用平床
 移植床は10a当たり約20平方メートルを準備し、移植の30~40日前に堆肥等の有機質資材を施用するとともに、必要に応じて苦土石灰および水分の補給を行い、深さ10cm程度に混和する。移植の10~15日前に育苗専用肥料を施用し、5~7日前に土壌消毒をする。消毒の期間は3~5日とし、十分にガス抜きをした後移植する。 
 平床(移植床)10平方メートル当たり必要な各種資材は次の通りです。
 有機質資材・・・40kg
 苦土石灰・・・・500g以内でpHに応じて施用。
 育苗専用肥料・・500g
 


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有機資材、肥料の混合ムラによる生育障害

播種量
 本圃10a当たりに必要な種子の量は次の通りである。
 キュウリ・・・1,400粒
 台木・・・・・1,750粒
 

播種期
 キュウリの播種は8月中旬、台木はキュウリの仮植と同時に播種する。また。キュウリを無移植で育苗する場合には、3日後を台木の播種日とする。

接木(呼び接ぎ法)
 この接木法は活着率が高く、活着までの管理が容易で、高温期でも失敗が少なく実用性の高い接木法である。しかし接木作業に多くの労力を必要とし、苗床は穂木移植床が余分に必要となる。

呼び接ぎの要点
 ◆接木までに肥厚充実した苗に育て、接木の2日前からは台木、穂木ともに乾燥ぎみに管理する。
 ◆台木と穂木の切り込みはできるだけ深くし、十分にかみ合わせる。
 ◆接木後はごく普通の管理とし、過保護にはしない。
 ◆キュウリ(穂木)の切り離しは多少の萎れがあっても遅れないようにする。

キュウリの播種と移植
 播種用土を入れたトロ箱を本圃10a当たり8枚準備し、1箱当たり180粒前後を播種する。播種は条播きとし、均一に播種、覆土した後灌水する。灌水後は用土の乾燥を防ぎ、水分を均一に保って発芽を促進させるため新聞紙等を播種箱に被覆するが、この新聞紙にも灌水をしておく。新聞紙は発芽と同時に除去し、光を十分に当て健全に育てる。
 発芽揃い後、遅れないように平床に移植する。移植の株間は10×10cmとする。

台木の播種
 播種用土を入れたトロ箱を本圃10a当たり12枚準備し、1箱当たり150粒を条播きする。ブルームレス台木は播種前に浸積すると発芽が不揃いとなることがあるため、そのまま播種する。播種後はあまり高温とならないよう注意し、28℃位で発芽させる。

接木の時期
 キュウリは第1本葉が径3cm前後に発育したときが適期で、台木は双葉が展開し、第1本葉の出始めの頃が呼接ぎによる接木の適期である。

 


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呼び接ぎの方法

 キュウリは第1本葉の出ている直下を約45度の角度に深く切り上げる。台木は双葉の直下を45度の角度に深く切り下げ、直ちにキュウリの切り込み部とかみ合わせて接木クリップで固定する。

鉢上げ

 育苗床には1.5m幅の畦を作り、よくならして古ビニル等を敷く。これにポリポットを並べ、予め半分位の床土を入れて鉢上げの準備をしておく。接木した苗は床土を補給しながらポットに移植するが台木をポットの中央部付近に配置し、キュウリは台木をやや広げて根を配置し、添え置く程度に植え付ける。植え付け後は直ちに灌水する。

植え付け後の管理

活着の促進
:鉢上げ後は通常の管理とするが、萎れが著しい場合には噴霧器を用いて軽く葉面に散水する。この散水は萎れの程度が軽くなれば早く中止し、平常の管理とする。接木後5~6日目に穂木の接木部直下の胚軸を指でつぶしておくと切断後の萎れが少ない。

キュウリ胚軸の切断
:切断に当たっては先ず10個体程度を試し切りし、萎れの程度を確認する。その結果をもとに一斉に切断するが、その目安は接木後7日目頃で、多少の萎れがあっても、切断の時期は遅れない方がよい。

 


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胚軸切断後に現れる接ぎ木障害

温度
:高温期であるため、むし込みにならないよう通風を良くする。とくに鉢底が過湿にならないよう、灌水量に注意する。



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高温乾燥による葉焼け

追肥・防除
:育苗中に肥切れが認められると、早めに薄い液肥を用いて追肥をする。病害虫ではべと病、斑点細菌病、モザイク病、アブラムシ類、スリップス類等の発生がある。






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