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1-3.県内農耕地土壌の実態

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こうち農業ネット : 2012/10/30

 昭和54年から始まった全国的な土壌調査において、県内では220ヶ所の定点を設置し、5年毎に土壌の変化を調査しています。
 その結果、図3-1~3-4に示すように、水田では、作土が深くなっている反面、可給態窒素が減少する傾向が明らかになりました。また、普通畑におけるち密度の増大、樹園地における全炭素含量の増大などの傾向が認められました。その他にも、水田でのち密度の増大および全炭素と全窒素の減少、普通畑での加里含量の減少、樹園地での全窒素含量の増大などが明らかになりました。
 近年の調査結果を高知県が定めている改良目標値と比較したものを表3-1に示します。これによれば、水田では、苦土や加里が不足し、これに伴って塩基がアンバランスになっていることが明らかになりました。また、普通畑では、苦土がやや不足し、石灰/苦土比が大きくなっている実態や、施設畑では、普通畑に比べて、作土が深く腐植含量も高いなど土づくりが進んでいるものの、石灰やりん酸が過剰に集積している実態などが明らかとなっています。
 樹園地の調査においては、茶園が多かったことから、腐植含量は多いものの、土壌pHが低い結果が得られました。また、苦土が少なく塩基のアンバランスを起こしていることや、有効態りん酸が多いことも明らかとなっています。
 このように、塩基のアンバランスとりん酸の過剰蓄積が共通の問題としてあげられます。作物の生理障害は、養分の不足だけではなく、アンバランスによっても発生します。たとえば、キュウリやナスのマグネシウム(苦土)欠乏症は、土壌中の苦土含量は適正であっても、石灰や加里が多量にあるために、作物のマグネシウム吸収が抑制されて発生することがあります。
 また、施設畑では塩基飽和度が高く、塩基が蓄積している実態も明らかとなっています。一般には、塩基飽和度が100%を超えると土壌pHも高くなりますが、調査結果では、塩基飽和度が大きいにもかかわらず、土壌pHが適正に保たれています。これは、土壌に蓄積している石灰の多くは水に溶けにくい炭酸石灰の形で残存しているためと推察されます。
 土壌中の有効態りん酸含量は、施設畑や樹園地で、改良目標値よりも大幅に高くなっています。しかし、有効態りん酸の改良目標値は、作物に対する反応だけでなく、施肥効率も考慮して改良目標値を設定していることに加え、果菜類では乾土100gあたり400mg以上でないとりん酸の過剰症が現れにくいことから、実際にはほとんど問題になっていません。


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        図3-1 作土の厚さ(水田)            図3-2 可給態窒素(水田)


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          図3-3 ち密度(普通畑)              図3-4 全炭素(樹園地)


ぶんせき


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