高知県　病害虫・生理障害台帳

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被害果（ハウスミカン）；油胞部を残して白くカスリ状になる
作物名

かんきつ



一般名称

ミカンキイロアザミウマ



学術名称

Ｆrankliniella occidentalis
　Pergande



症状
　本種によるかんきつの被害は開花期と果実着色期にみられる。
　開花期の被害は露地栽培で発生することがあり、がくの内面やがく付近の果面をふ化幼虫が食害するために、この傷から腐敗が発生する。通常これらの被害果は開花終期の花に由来する幼果に限って発生し、自然落果や摘果によりほとんど問題とならない。
　果実着色期の被害はハウスみかんで発生する。着色始期～収穫期に成虫が果実を吸汁加害すると、加害された部分は油胞を残して白くかすり状となる。被害程度の高いものでは果頂から果実側面にかけて広範囲に発生する。また、ヒラズハナアザミウマでも同様に被害が発生することがある。なお、露地栽培では着色期には成虫の活動が終息しているため問題とならない。



発生条件
　卵は花弁や果梗などの組織内に１個ずつ産みつけられる。ふ化した幼虫は主に花に寄生し、花粉を餌に成長する。前蛹の時期が近づくと幼虫は地表に移動し、土中などで前蛹となる。前蛹～蛹の時期は食害せず、移動もほとんどしない。成虫になると再び花に寄生する。
　１世代に要する期間は、15℃で約35日、20℃で約20日、25℃で約12日、30℃で約10日と短い。また、成虫の生存期間は25～30℃で45日前後である。１雌当たりの総産卵数は200～300個である。
　寄主植物はなす、ピーマン、トマト、メロン、いちごなどの野菜類やきく、ガーベラ、ばらなどの花卉類、かんきつ、もも、ぶどうなどの果樹類など多くの農作物の他、雑草など極めて多岐にわたる。



対策
(1) 発生源は園内や園周辺の雑草などであることから、これらの除草に努める。
(2) サイドや天窓などの換気部に寒冷紗などを張って、野外からの侵入を防止する。
(3) 黄色粘着トラップを設置し、成虫の早期発見に努める。




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