ニラ -育苗管理-
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育苗管理
育苗ハウスの準備
土作り
本圃10а当たり230平方メートル以上の専用育苗ハウスを準備しましょう。ニラは、酸性土壌を嫌う作物であり、土壌酸度(pH)が低いと生育が抑制されますので、pH6.5を目安に播種の1カ月前までには苦土石灰、有機資材(堆肥等)を全層に施用し深耕しておきます。
施肥・畦立て
施肥量は230平方メートル当たり窒素成分量で2~3kgを施用し、耕耘後畦幅130cm程度に畦立てをします。耕耘畦立ては、適湿な状態で行い畦面の均平作業は丁寧に行いましょう
育苗ハウス
育苗
播種時期
生産力の高い苗は、2~3本分げつ苗だと考えられます。定植予定の時期に合わせて播種時期を決めましょう。12月に播種した場合には約120日、1月播種では約100日。
2月以降に播種すると約90日で2本分げつ苗が得られますので、表1を参考に播種時期を決定して下さい。
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播種量と播種方法
播種量は230平方メートル当たり6dlとし、種子を一昼夜水に浸漬後、軽く陰干しして播種します。播種量が多すぎると苗の生育ムラが生じやすく、苗質も低下します。また、逆にこれ以上少なくしても苗質や生産力に影響がありません。播種の方法は、バラ播きに比べて条播きの方が目標とする2本分げつ苗が効率よく確保できますので、条間13~15cm程度の条播きとします。播種に際しては次の点に留意して下さい。
- 適湿な状態で耕耘整地し、物理性の良い(通水性の良い)状態で播種する。
深さ2~3cm程度の播き溝をきり、播種後1cm程度の覆土をする。
播種後ダイオネット等で被覆し、細目のジョロで十分に潅水する。
潅水後はポリフィルムでトンネルをし、保温に努める。
発芽を始めたらダイオネット等を除き、生育に合わせて換気を行う。


条播(左)と散播(右)
播種後の管理
潅水
播種後、10日前後で発芽を始めます。発芽揃い後、草丈が15cm程度になるまでは、立枯病が生じやすいので、過湿にならないように注意しましょう。土壌の物理性が不十分で土面が固くなり、潅水が上手くいかない場合には、適湿な状態で軽く中耕を行って下さい。
温度管理:日中の温度は25~26℃、夜温は10℃以下にならないように、換気と保温に努めて下さい。また、4月以降は気温も上昇し、ニラの生育も旺盛となってきます。換気を十分に行い、軟弱徒長にならないように注意して下さい。
本圃の準備~定植
土作り
7~8月に定植して、10~11月から収穫を開始し翌年の5~6月までの長期間にわたって栽培を続けますので、土壌の物理性の良し悪しによって生育や収量に大きな影響を与えます。
土作りのために、定植の1カ月以上前までに有機資材を施用し、土壌酸度の矯正のために苦土石灰を施用し、十分に深耕を行います。有機資材を一度に多量施用すると、窒素飢餓による生育ムラや白絹病などの発生を助長しますので、早めに施用します。
元肥の施用
元肥の施用量は、施肥前に土壌分析を行い施肥量を決めますが、窒素成分で10a当たり25kg程度を目安とします。株の養成期間中は降雨の多い時期でもあり、肥料の流亡も多い時期ですので、元肥の施用量は少な目とし追肥で調整しましょう。
畦立て
排水の悪い圃場では高畦とします。畦面に高低があると生育ムラができたり、根腐れ、株腐病等の発生を助長しますので、均平作業は丁寧に行いましょう。畦取りの方法はハウスの間口によって異なりますが、表のとおりです
表 畦取りの目安(条間30cmの場合)
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定植
定植時期
冬作は7月に定植します。定植適期苗は2~3本に分げつした草丈35cm程度の苗です。苗床230平方メートルに6dlを条播きにすると、2月中旬播種では6月中旬に、3月中旬播種では7月上旬にほぼ均一に2本分げつ苗が得られます。
栽植方法
定植時期によって違いますが、1株当たりの植え付け茎数は4~6本で、条間30cm、株間30cmの粗植とします。植え付け本数を多目にすることで、増収に必要な単位面積当たりの分げつ数の確保ができ、粗植にすることで株の充実が図られ収量・品質ともに優れたニラが生産できます。
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