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グリーンフォーカス 平成27年1月号

須崎農業振興センター 農業改良普及課 : 2015/01/01

甘長とうがらしの産地化を目指して

1 地域の現状(背景)


津野山地域(JA津野山管内)

 管内の梼原町、津野町(旧東津野村)の2町にまたがる津野山地域は、四万十川源流域に位置し、平均気温13.6〜14.0℃、年間降水量3,000mm以上で冬期には積雪も見られるところです。



果実

 甘長トウガラシは、ナス科トウガラシ属の品目です。JA津野山管内では露地と雨よけによる夏秋栽培で、平成26年には1.3ha栽培されました。現在、南国市でも栽培され、高知県園芸連を通して平坦部と山間部とのリレー出荷で周年供給体制が構築されています。


                                            果実


 この自然に恵まれた地域にあるJA津野山では、平成22年から甘長トウガラシの栽培が始まりました。従来からハウスミョウガや米ナス、小ナス、シシトウのナス科果菜類の露地・雨よけ栽培や茶の栽培が行われており、甘長トウガラシは新たに有望品目として軽量でかつ省力的な品目として導入されました。


露地栽培 雨よけ栽培

       露地栽培             雨よけ栽培


2 活動内容


 JA津野山園芸部各部会・研究会を対象に「若者がくらし、子育てできる中山間地域農業の実現」という普及計画の課題の中で、平成24から26年度に園芸品目の高品質安定生産の1品目として甘長トウガラシの栽培技術向上に取り組みました。さらに、シシトウより収穫労力がかからなくて安定した単価であり、栽培希望者が増加していることから、重点的に担い手の育成支援を行いました。

(1)安定生産のための雨よけ栽培での尻腐れ果とうどんこ病対策
 尻腐れ果対策として、JA営農指導員と対策内容を協議し、(1)適期の適量灌水、(2)カルシウム剤の施用、(3)適期収穫など、また、うどんこ病対策として、(1)定期的な薬剤の予防散布、(2)発生初期の罹病葉の除去、(3)硫黄粉剤による防除などを現地検討会や目慣らし会、現地巡回指導を通して生産者への周知を図りました。

(2)生産者を対象とした研修活動
先進地である南国市の生産者との交流会へ2回参加し、他産地の生産者等との意見交換を行いました。また、農業担い手育成センターで取り組んでいる硫黄くん蒸器を用いたうどんこ病防除や、捻枝により果実に影をつくることで尻腐れ果の発生を抑制する仕立て法について研修を行いました。

(3)担い手の育成支援
JA農業研修施設「営農みらい塾」の研修生1名を加え、8名の新規栽培者に対してJAと連携して、作付け前に栽培講習会を開催しました。栽培期間中個別に現地巡回も行い、栽培や生育状況に対応した栽培管理指導を実施しました。また、収量目標を設定した生産者5名については、現地巡回により今までの感覚的な灌水管理からpFメーターを利用した適正な灌水管理を指導する等目標達成に対して支援しました。

(4)消費者へのPRや流通関係者からの情報収集
出荷先の大阪市場の卸・仲卸から、津野山産甘長トウガラシの評価や流通状況について聞き取りを9月に行いました。また、百貨店での試食販売やレシピ配布等のPRを行いました。これは生産者も参加した初めての活動で、消費者を直に聞ける貴重な体験となりました。


尻腐れ果 うどんこ病

      尻腐れ果             うどんこ病



寒冷紗被覆ハウス 現地検討会

     寒冷紗被覆ハウス           現地検討会



目慣らし会 南国市の生産者との交流会

     目慣らし会          南国市の生産者との交流会



新規栽培者勉強会 消費宣伝

    新規栽培者勉強会           消費宣伝


3 地域の動きや活動の成果

 これまでの取り組みによって、高品質で安定した甘長トウガラシの生産が行われ、平成
22年に5戸、9aで栽培が始まったものが、平成26年には29戸、130aに増加しました。さらに、平成22年に出荷量は2.4t、販売額217万円であったものが平成
26年にはそれぞれ56.7t、4,253万円に増加しました(図1、図2)。
 今年は尻腐れ果やうどんこ病対策への取り組みが徹底され、昨年より発生は少なくなりました。
 また、尻腐れ果やうどんこ病対策の研修が参考になり、硫黄くん蒸器の利用や尻腐れ果の発生を抑制する仕立て方に取り組んでみたいという声が出てきました。
 目標設定農家におけるpFメーターによる適正量灌水の取り組みでは、実施農家全員が今までは天候や作物の生育の状態による必要な灌水量はわかりにくかったですが、pF値を定期的に見ることにより灌水量の参考になったという感想がありました。また、新規栽培者は最後まで安定的に栽培することができ、次年に向けても地域の担い手として期待されています。
 消費者へのPRは初めての取り組みでありましたが、JAから主要品目として今後も取り組んでいきたいという話が聞かれました。


図1 図2

※平成26年の販売額、出荷量は、10月31日現在。


4 今後の展開

 JA津野山と連携して、甘長トウガラシの増収・品質向上対策に取り組み、JA津野山の主要品目の1つとしてさらなる安定生産や担い手の育成に向け産地育成を推進します。