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グリーンフォーカス 平成26年4月号

高知県農業技術センター : 2014/04/01

促成キュウリ栽培における基肥リン酸減肥指標

  • はじめに

 高知県の促成キュウリ栽培は、草勢維持のため多肥栽培であり、長年の連作による土壌への養分蓄積が問題となっています。なかでもリン酸は、土壌に施用されるとすぐに不可給態となり作物に利用されにくくなることなどから土壌に多く残存するため、施肥されるリン酸の減肥が課題となっています。
 そこで、キュウリ主要産地3地区25ほ場での土壌実態調査、土佐市および須崎市各1ほ場での現地実証試験、農業技術センター内での栽培試験を行い、基肥リン酸減肥の影響について検討し、減肥指標を策定しましたので紹介します。
 なお、本県の促成キュウリ栽培の施肥基準は、可給態リン酸値に関わらず、基肥・追肥合わせて30kg/10aですが、現状は基肥のみで約39kg/10a施肥されています(2007年調べ)。




  [土壌実態調査の結果]


土壌実態調査の結果

 高知県では、施設栽培での土壌中の可給態リン酸は30〜100mg/100g乾土の範囲内が適正と定めていますが、今回調査した全てのほ場で、栽培終了後の土壌中の可給態リン酸がこの値を超えていました(図1)。




  [現地実証試験]


表1 表2 図2 図3

 可給態リン酸が200mg/100g乾土以上の現地ほ場では、基肥リン酸施用量を従来の60%程度低減しても、キュウリの主枝や力枝の生育、総収量にほぼ差がありませんでした(表1、2、図2、3)。また5月(調査終了時)の可給態リン酸は、土佐市、須崎市ともに慣行区と減肥区で差はみられませんでした(表1、2)。




  [農業技術センター内での試験]


表3

 隔離床栽培試験では、施肥前の可給態リン酸が60mg/100g乾土程度の低レベルでも、基肥リン酸無施用でキュウリの生育、収量、地上部のリン酸吸収量に影響はありませんでした(表3)。




  • 減肥指標

 以上の試験結果から、可給態リン酸が200mg/100g乾土以上のほ場では、基肥リン酸施用量を慣行から60%程度削減できます。



  • 留意点

1.全ての試験ほ場で、基肥の窒素および加里、追肥の窒素、リン酸、加里は慣行区および減肥区とも同量としました。

2.土づくり資材として、土佐市ではケイントップ1.9t/10aを施用しました。須崎市ではケイントップ1.8t/10a、鶏ふん1.4t/10aを施用しました。

3.基肥窒素施肥量を42kg/10aとした場合、低リン酸肥料A(14-5-6)を用いると従来型肥料B(7-8-4)に比べ、
1,600円/10a程度安くなります(3つのJAでの販売価格の平均)。



  • おわりに

 促成キュウリ栽培において、リン酸施肥量を減らすことができる土壌中リン酸レベルが明らかになりました。これにより、蓄積しているリン酸の有効利用や肥料代の削減につながると考えられます。今後は、さらに可給態リン酸の低いほ場において基肥リン酸無施用の影響を調べる予定です。