かんきつ 果樹カメムシ類
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病害虫情報 : 2012/10/16
高知県 病害虫・生理障害台帳

ツヤアオカメムシ成虫

チャバネアオカメムシ成虫

クサギカメムシ成虫

オオクモヘリカメムシ成虫

被害発生園;吸汁による落果がみられる

つぼみを吸汁中のクサギカメムシ;落蕾する

吸汁により果実内部がスポンジ状になる(文旦の幼果)
作物名
かんきつ
一般名称
果樹カメムシ類
学術名称
Plautia stali
Scott、
Halyomorpha mista
Uhler、
Glaucias subpunctatus
Walker
症状
春期には新梢、蕾、幼果が加害される。新梢では加害部から先がしおれ、枯死する。蕾や幼果では落蕾、落果することが多い。落果しなかった果実は奇形果となる。
秋期の被害は着色直前から収穫期にかけてみられる。被害果は加害部の内部が褐変し、果肉が海綿状となる。着色前に加害されたもののほとんどは落果するが、収穫期近くに加害されたものの落果は少ない。
春期の被害は前年からの越冬量が多い年に見られ、温州みかん、中晩柑類ともに被害を受ける。秋期の被害は当年の発生量が多い場合に見られるが、温州みかんに比べると中晩柑類での被害は比較的少ない。
発生条件
本県で発生が多いのはチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシの2種でクサギカメムシがこれに次ぐ。
チャバネアオカメムシは年2~3回、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシは年1~2回成虫が発生するとされる。チャバネアオカメムシは落葉下で、ツヤアオカメムシは常緑広葉樹の葉の間で、クサギカメムシは家屋内や大木の樹皮の隙間で成虫越冬する。
越冬成虫は4月中旬頃から活動を始め、サクラ類、クワ、キリなどの果実を吸汁したり、かんきつ園などに飛来し、加害する。しかし、かんきつ上では繁殖することができない。主要な繁殖源はスギ、ヒノキの毬果とされており、越冬成虫は6月中・下旬からスギ、ヒノキに移動し繁殖する。これらで増殖したものが、秋期にかんきつ園等に侵入してくる。11月になると成虫は越冬場所に移動し、活動を停止する。
対策
吸蛾類の防除のため誘蛾灯(青色灯)や防蛾灯(黄色灯)を点灯している場合、カメムシ類の発生が見られ始めたら、点灯を中止する。ただし、チャバネアオカメムシに対しては防蛾灯(黄色灯)の飛来阻止効果が期待できる。
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