なす 白絹病
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高知県 病害虫・生理障害台帳

株元の症状;白色の菌糸塊がみえる
作物名
なす
一般名称
白絹病
学術名称
Corticium rolfsii Saccardo[Sclerotium rolfsii Curzi]
症状
主に茎の地際部が侵される。発病が激しいと葉柄、葉にも発生することがある。地際部に暗褐色でやや窪んだ病斑を形成し、拡大して茎を取り巻きくびれる。症状が進むと株全体が萎れ、やがて枯死する。病斑部には白い絹糸状の光沢のある菌糸が束になって伸長し、後に、黄褐色、ナタネ種子大の菌核が多数形成される。
発生条件
本菌は菌核の形で土壌中に残り越年し、翌年発芽して菌糸を出して伝染する。まん延時期は日中の気温が29~35℃で夜温が24℃を下らない高温時期で、地表面が湿り過ぎない程度の条件の時である。したがって、ハウス栽培では9~10月と5~6月、露地栽培では7~9月の盛夏の降雨の後で発生が多くなる。本菌の寄主範囲は広く、なす以外にトマト、ピーマン、きゅうりなど多くの作物を侵す。
対策
(1)土壌中や土壌表面に生ワラなどの未分解有機物があると病原菌が増殖して多発の原因となるので、土壌に生ワラなどを施す場合は植え付け1カ月以上前に施用し、土壌とよく混和して腐熟を促す。また、畝面への敷きワラは作物の株ぎわまで覆わないように注意する。
(2)菌核は野外で数年間生存できるが、好気性の菌で、湛水状態にすると3~4カ月で死滅するので、露地栽培では水稲との輪作、ハウス栽培では夏の休閑期に湛水あるいはハウスを密閉して太陽熱処理を行い、菌核の死滅をはかる。
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