なす 苗立枯病
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高知県 病害虫・生理障害台帳
作物名
なす
一般名称
苗立枯病
学術名称
Rhizoctonia solani Kuhn[Thanatephorus cucumeris(Frank)Donk]
症状
幼苗が地上部に現れる前に枯死する場合もあるが、地上部に発芽した苗では根や地際部が侵され生育不良や苗立枯れとなる。地際が侵されるとその部分から折れ曲がって倒れ、やがて枯死する。罹病部は暗褐色でくびれ、多湿条件下では病斑表面に白色のかびを生じる。
本菌以外に地際がくびれ倒伏枯死する苗立枯れとして、ピシウム菌によるものもあるが、この場合、病斑部は軟化して水浸状となる。
発生条件
病原菌は菌糸や菌核の形で罹病残さと共に土中で越年し、翌年これより菌糸を生じて伝染する。発病株からの伝染も菌糸によって行われる。発病は本菌の生育適温より低めの地温15~21℃、多湿条件、重粘な床土や酸性土壌で多くなる。
本菌は多犯性で、多くの野菜類を侵す。生育適温は24℃である。本菌には生育適温が低温性のものから高温性のものまで数種類の系統があるが、低温性の菌が苗立枯れをおこすと言われている。
対策
(1)土壌中に未熟な有機物があると病原菌が増殖しやすく、また、土壌の水分過多は発病を助長するので、有機資材は十分腐熟したものを施すか、生ワラなどの場合は植え付け1カ月以上前に施し、土壌とよく混和して腐熟を促す。また、育苗中の水管理には注意する。
(2)病原菌は土壌中に生存し、幼苗期に根や地際部を侵すので、床土には汚染のない土壌を用いる。
(3)播種床のような密植条件下で発病すると短期間で蔓延するので、早期発見に努め、発病を見たら直ちに発病株を抜き取る。
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