高知県　病害虫・生理障害台帳

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葉の病徴（初期）





葉の病徴





茎の地際部付近の病徴、症状が進むと枯死する


作物名

しそ（おおば）



一般名称

斑点病



学術名称

Corynespora cassiicola
　(Berk. and Curt.)Wei



症状
　主として葉および茎を侵す。
　葉では、はじめ針で突いたような黒褐色の微小斑点を生じる。通常立毛中には病斑はあまり大きくならないが、多湿条件が続くと径数mmの病斑となる場合がある。古い病斑は中心部から淡褐色になる。
　茎では地際部付近での発病が最も多く、黒色に変色してくびれ、症状が進むと株全体が萎凋して枯死する。病斑上には、しばしば黒色ビロード状のカビが密生する。地際部以外の茎にも黒色病斑を形成するが、くびれを生じることは少ない。しそ（おおば）の地際部は生理的に黒変することも多いが、本病に感染すると黒変部がくびれるのが特徴である。
　本病は収穫後の葉に発生することもあり、この場合は病斑が拡大しやすい。包装されたパック中などでは、径１cm以上に拡大し、黒色のカビを生じることもある。



発生条件
　病原菌は、罹病植物体内部の菌糸や分生子が土壌やハウス資材などに残って次作への伝染源となる。分生子は風にのって飛散し、適度な温度、湿度条件で発芽し、侵入して発病させる。病斑上には新たな分生子を形成し、次々と伝染する。
　高温・多湿条件で発生しやすく、多湿気味の施設栽培ほ場で発病することが多い。病原菌の生育適温は28℃付近であり、発病適温は25℃付近と考えられている。
　本病原菌は、しそ（おおば）の他なすやトマト、トウガラシ類にも病原性を示す。



対策
(1)発病葉・株は伝染源となるので、早めに除去して適切に処分する。
(2)発病が見られた施設では、栽培終了後に伝染源を残さないように被害茎葉を適切に処分する。また、太陽熱などを利用して土壌消毒を行う。
(3)多湿条件で発病しやすいので、ほ場内外の排水を良好にするとともに、施設内の湿度を下げる工夫をする。
(4)植物残さは病原菌の繁殖源になるので、摘除した葉などをほ場内に放置しない。



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