ピーマン・ししとう 菌核病
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病害虫情報 : 2012/10/17
高知県 病害虫・生理障害台帳

茎の病徴;茎内には菌核を形成することが多い
作物名
ピーマン・ししとう
一般名称
菌核病
学術名称
Sclerotinia sclerotiorum
(Libert) de Bary
症状
花弁、果実、茎、葉に発生する。最初花弁が褐変腐敗する。発病花弁が茎、葉、果実に付着すると、その部分に褐色不整形の病斑を形成する。多湿条件下では、白色綿毛状のかびを生じ、やがてネズミの糞のような黒色の菌核を形成する。茎では、被害部から上位の茎葉が萎ちょう枯死する。枯死した茎内の空洞部に菌核を形成していることが多い。
発生条件
土壌中の菌核が第1次伝染源となる。菌核は適温、適湿下で発芽して子のう盤を発生し、多量の子のう胞子を噴出して伝染する。子のう盤発生の適温は16℃内外、感染の適温は15~21℃と低い。ピーマンは夜温を比較的高く設定するため、冬場の加温期間中の発生はほとんどないが、秋期に暖房開始が遅れると11~12月に、また、暖房の作動時間の短くなる3月以降に発生する。発病した茎葉の接触によっても伝染する。
対策
(1)ほ場は夏の休閑期に水稲を栽培するか、2カ月以上湛水して菌核の死滅をはかる。
(2)全面マルチ栽培、夜間の加温、日中の換気などによってハウス内の湿度低下に努める。
(3)秋期の加温の開始時期が遅れないようにする。また、3月以降、雨天が続く場合は可能な範囲で加温機を作動させる。
(4)被害茎葉などは菌核形成前に除去し、次作の伝染源を少なくする。
(5)株内湿度を下げるため整枝を適正に行う。
(6)発病歴のあるほ場では11月頃及び3月頃から7~10日間隔で数回予防散布を行う。
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