トマト オオタバコガ
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病害虫情報 : 2012/10/19
高知県 病害虫・生理障害台帳
果実を食害する老齢幼虫
幼虫
作物名
トマト
一般名称
オオタバコガ
学術名称
Helicoverpa armigera
(Hubner)
症状
若齢幼虫は新芽の先端や葉を食害し、円形または楕円形の孔をあける。
中・老齢幼虫は茎や腋芽の内部へ侵入するため、新鞘の先端が折れたり、生育が抑制されたりする。また、花や幼果を食害したり、果実に食入するため減収や品質低下を招く。
1頭の幼虫が果実を渡り歩いて食害するために、寄生幼虫数が少なくても被害果が多くなる。
発生条件
寄主範囲は広く、トマトの他、なす、ピーマン、オクラ、えんどう、ばら、キャベツ、きく、スイートコーン、カーネーション、トルコギキョウなど多くの作物を加害する。
卵は新鞘先端部などに1卵ずつ産みつけられ、塊で産みつけられることはない。1雌当たりの平均産卵数は400~700個である。
卵から羽化までの発育期間は、18℃では約65日、24℃では34日、30℃では23日である。幼虫は5~6齢を経た後、土中で蛹になる。
第一回成虫(越冬世代)は5月下旬頃から発生する。年間の発生回数は4~5回で、成虫の発生は11月中旬まで発生がみられるが、密度は8~9月に最も高くなる。特に、高温乾燥の続く年に発生が多くなる傾向がある。
越冬は主に蛹態で施設内で行うと考えられている。野外での状況は明らかでない。
対策
(1)葉、新鞘、果実における新しい食害痕や虫糞の排出に注意し、その周辺を中心に幼虫を探して捕殺する。
(2)孔のあいた果実は早期に摘果し、果実内に食入している幼虫を捕殺してから処分する。また、摘心した腋芽にも卵や若齢幼虫が付着している可能性があるので、ほ場から持ち出してから処分する。
(3)施設栽培では定植時の苗からの持ち込み防止を徹底するとともに、開口部には寒冷紗(目合い5mm程度)を張り、成虫の侵入を防ぐ。
(4)栽培終了時には作物残さを適切に処分し、施設を密閉して蒸し込みを行う。
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