グリーンフォーカス 令和4年5月号
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飼料用米“歓喜の風”の取組について
- 地域の現状
須崎市では飼料用米として“コシヒカリ”等を栽培してきたが収量が低いことが課題になっていました。そこで、須崎農業振興センターでは株式会社土佐くろしお村村営みのり(JAの子会社)とともに、多収性が期待できる“歓喜の風”について令和2年度に実証試験を行いました。その結果、移植時期、施肥量、栽植密度など収量を向上させるポイントが明らかになりました。
そのため、令和3年度は耕種方法を改良し、実証試験を行いました。
- 活動内容
(1)調査方法
(1)耕種概要
・区の設定・栽培品種 試験区 “歓喜の風”
慣行区 “コシヒカリ”
・実証場所 須崎市神田等
・面積 9.91a
・移植日 試験区 令和3年4月6日
慣行区 令和3年4月5日
・栽植密度 30cm×21cm
・施肥 N成分量7~8kg/10a(側条施肥、緩効性肥料は2割減)
(2)調査項目
・生育
調査株数を20株とし、草丈、茎数、葉色を計測。
・収量等
調査株数を20株とし、収穫時の稈長、穂長、穂数を計測。その後、玄米千粒重、精籾数、祖玄米重を調査。
・品質
乳心白等の未熟粒、食味関係の食味値、アミロース、タンパク質、水分等と長さ、幅、厚みなどの外観品質を調査。
・病害虫発生状況
調査株数は25株とし、概ね2週間毎に、目視による病害虫の発病、発生状況を調査。
(3)調査期間
・令和3年4月1日~令和3年9月30日
(2)結果の概要と具体的な数字
(1)収量・品質等調査結果
収量(飼料用米として、玄米重)は、試験区“歓喜の風”と慣行区“コシヒカリ”を比較すると、試験区が約10%少ない結果となりました。令和2年産より総N成分量を増やしたため、試験区、慣行区共に倒伏やいもち病が、ほぼ同程度発生しました。
- 地域の動きや活動の成果
(1)農業者の声
令和2年産は“歓喜の風”が“コシヒカリ”以上の収量がありました。令和3年産も肥料の銘柄、ほ場によっては“コシヒカリ”以上の収量があったほ場もありました。令和4年産の結果も参考にして評価していきます。
(2)見えてきた成果
2年間の実証結果から、須崎市では、移植時期を早める(4月上旬植え)、栽植密度を高める(株間21cm)、施肥はN成分量6~7kg/10aに減肥した方がよいことが分かりました。これらの実証試験結果をJAの広報誌で情報発信したこともあり、“歓喜の風”栽培面積が2年間で約20haに増えました。
- 今後の展開
成果の普及とともに、倒伏程度やいもち病の発生にも関係する施肥量をN成分量6~7kg/10aとして、実証を継続していきます。
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