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グリーンフォーカス 令和3年6月号

幡多農業振興センター 農業改良普及課 : 2021/06/01

産地で取り組むキュウリの黄化えそ病対策


  • 1.地域の現状(取組のきっかけ)

高知県西部

 高知県幡多農業振興センターは高知県の西部に位置する3市2町1村を管轄としています。温暖な気候を利用し、さまざまな施設園芸品目が栽培されており、中でもキュウリは栽培面積、販売実績ともに1位で管内の基幹品目となっています。
 しかし、令和2園芸年度(令和元年9月〜令和2年8月)では、暖冬に加え日照時間が平年より短く栽培管理が難しかったことに加え、ミナミキイロアザミウマが媒介するMYSVによる黄化えそ病の被害がここ数年の中で最も多く、例年より1ヵ月ほど早く栽培を切り上げる生産者が相次いだことなどから、1,562t(昨年対比91%)の出荷量にとどまりました。


地域の現状

 このことを受け、振興センターがJAと連携して、令和3園芸年度(令和2年9月〜令和3年8月)に黄化えそ病の被害減少に向けて取り組んだ結果について紹介します。


  • 2.活動内容(令和2年4月〜)

 ・アンケート調査:黄化えそ病対策の実施状況や被害状況の把握(令和2年5〜6月)
 ・黄化えそ病の対策マニュアル作成(7月)
 ・対策マニュアルの周知および説明会実施(8〜9月)
 ・個別巡回指導、黄化えそ病の発生状況確認(10月〜)
 ・対策マニュアルに沿った栽培による効果の検証(10月〜令和3年2月)
 ・アザミウマ類の野外密度調査(3月〜)
 ・対策マニュアルに沿った栽培結果の周知(4月)


活動内容

  • 3.活動成果(取組の結果と生産者の反応)

(1)対策マニュアルの配布および周知
 黄化えそ病の対策として、1作を通して行うべき作業やそのポイントをまとめたマニュアルの周知、及び個別巡回指導で丁寧な説明を行いました。その後の聞き取り調査の結果では約7割の生産者が参考になった※と回答しました(図1)。特に参考になった項目として、薬剤のローテーション散布があげられており※(図2)、毎年各生産者で実施している対策であっても最新の知見を踏まえた情報が必要とされてることが分かりました。
※令和3年1月、促成キュウリ生産者63戸を対象に行った聞き取り調査の結果より


活動成果1

(2)対策マニュアルに沿った栽培による効果の検証と結果の周知
 効果の検証として、土佐清水市と黒潮町の促成キュウリ農家2戸に、
・作付け前の処理として、湛水処理または太陽熱消毒を1カ月程度実施
・定植〜年内の罹病株の早期抜き取り
・振興センターが作成した薬剤ローテーションに基づく農薬散布
を実施してもらいました。 
 その結果、いずれのほ場も前作と比較し黄化えそ病の発病株率が減少しました。


活動成果2

 特に土佐清水市の発病株率0.0%という結果には多くの生産者が反応を示し、来作の対策実施に向けた意識啓発に繋がりました。

(3)個別巡回指導
 営農指導員や普及指導員が巡回する中で、約半数の生産者がサイドの防虫ネットを巻き上げの外側に設置しており、隙間のあるハウスが多いことを確認しました。そこで、生産者と実物を確認しながら害虫が侵入しやすくなっていることを説明すると、多くの方が次回の張替時に改善することとなりました。


活動成果3

  • 4.今後の展開

 1年を通して、黄化えそ病の感染経路や防除方法などを繰り返し説明してきたことで、農家個々のほ場での対策意識は高まってきたと思われます。しかしながら、黄化えそ病は虫媒感染するため、ハウスが密集する地区では1戸の生産者だけが対策を実施しても被害を防ぐことが難しいのが現状です。そのため、個々での対策を強化していくのと同時にハウス周辺の環境整備や、ほ場からミナミキイロアザミウマを出さないといった対策も必要です。
令和4園芸年では、上記の点も生産者の方々にお伝えし、タイトルにもあるように「産地」で黄化えそ病対策に取り組めるよう支援していきます。