ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインへ

>> ホーム >> グリーンフォーカス 令和2年4月号

グリーンフォーカス 令和2年4月号

幡多農業振興センター 農業改良普及課 : 2020/04/01

幡多の農地を守る〜集落営農の取り組み〜


  • 1.地域の現状(背景、概要、取り組みのきっかけ)

 幡多地域の6市町村では61の集落営農組織が活動していますが、今後、地域の高齢化がさらに進む中、集落の農地を維持管理していくためには、新たな集落営農組織の設立と組織活動の強化が必要です。一方、高齢化等による担い手の減少により、単独の集落営農組織では地域農業の継続が困難な状況が見られるようになってきており、組織間連携が求められています。また、法人及び法人化を志向する組織・集落に対しては、法人化と併せて、経営安定・継続可能な組織づくりを支援し、法人が中心となって地域の農地を守っていく体制づくりが必要です。


  • 2.活動内容(H28年度〜R元年度の取り組み)

図1

1)活動支援体制の整備
・各市町村の担い手育成総合支援協議会(市町村、JA、農業改良普及課の担当者)の中に集落営農支援チームを位置づけ、関係機関が連携して集落営農を推進する体制整備に取り組みました。

2)新たな集落営農組織の設立と連携の取り組み
・各市町村で集落営農塾(※1)を開催して情報提供やアンケート、集落座談会などを行い、集落営農組織の設立を支援しました。 
 ※1:集落営農未設置集落や集落営農組織を対象にした集合研修や先進地視察研修等による情報提供(主催:市町村または農業改良普及課)。


写真1

・四万十市、土佐清水市、黒潮町では、集落営農組織の情報交換の場として集落営農組織連絡協議会を設置しており、この連絡協議会で組織間連携に関する報提供を行い、意向確認のアンケートをとりました。併せて組織間連携を希望する組織で今後の取り組み方針を検討しました。


3)集落営農組織の活動強化(規模拡大等)と園芸品目導入の推進
・各組織の役員会に参加し、組織の課題整理や経営計画策定、施設・大型機械等の導入を支援しました。
・水稲が主体の組織に対して園芸品目の実証ほを設置し、導入の啓発や栽培技術指導を行いました。
〜実証ほ実施品目〜
 H28年度 2組織:ブロッコリー
 H29年度 4組織:ジャガイモ、加工用キャベツ、ブロッコリー
 H30年度 7組織:甘長トウガラシ、加工用キャベツ、トマト、ブシュカン、
ブロッコリー、ナバナ
 R元年度 3組織:甘長トウガラシ、ブロッコリー
 


写真2

4)法人設立の推進と法人の経営発展支援
・法人化に関心を持つ既存の任意組織の役員会・勉強会に参加し、法人化に関する情報提供と法人設立の支援を行いました。
・法人組織に対して、園芸品目の導入の働きかけと栽培技術指導、簿記記帳や経営分析の支援を行いました。
・幡多農業振興センターでは、法人組織間の情報交換や関係機関からの情報提供の場として、幡多管内の全法人が参加する幡多地域集落営農法人連絡協議会を設置しました。


写真3
  • 3.地域の動きや活動の成果(農業者の声、見えてきた成果)

1)活動支援体制の整備
・関係機関が連携して、担い手協議会に支援チームが設置さ れ、目標設定や、役割分担をしながら、新規集落営農組織の設立や法人化の支援活動を行う体制づくりができました。

2)新たな集落営農組織の設立と連携の取り組み
・新たな集落営農組織13組織(四万十市:5組織、土佐清水市:1組織、宿毛市:1組織、黒潮町:2組織、大月町:1組織、三原村:3組織)が設立され、地域の農地を守る体制整備が進みました。

・2市(四万十市、土佐清水市)では、組織間連携の取り組みを希望する組織で、連携に向けた話し合いを開始しました。また、黒潮町では、農業公社と集落協定の連携に取り組み、令和2年度にドローンを導入することが決まりました。


図2

3)集落営農組織の活動強化(規模拡大等)と園芸品目導入の推進
・園芸品目等に取り組む組織が新たに19組織増え、組織の収入確保の体制づくりが進みました。また、20組織で県補助事業を活用して生産活動に必要な施設、機械整備がおこなわれました。


写真4

4)法人設立の推進と法人の経営発展支援
・新たに7法人が設立され、県内33法人のうち、半数近い15法人が幡多管内で活動しています。
・平成30年度までに設立した12法人の栽培面積の合計は約170haで、幡多管内の水稲作付け面積約2,300haのうち約7%を法人で守る体制が整いました。
・設立から5年以上経った法人では、設立当初とは異なる課題が出始めており、今後法人の活動を継続発展していくため組織間連携や地域営農ビジョンなどの策定に取り組んでいきます。


写真5

【法人設立の例】
 近年は、任意組織の形を経ずにそのまま法人として設立する組織が増えています。
 平成30年3月に宿毛市平田地区から大規模農家がリタイアした際の農地の担い手として法人を設立したいとの意向があり、7月から話し合いを開始しました。地区の農家、地主を対象に行ったアンケートの結果、今後3〜5年で20haの耕作者がいなくなる見込みであることが分かり、早急に法人設立を進めることになりました。地域の若者が中心となって協議を進め、10回の法人設立準備委員会で定款や規約等の必要書類、栽培計画や機械導入計画を作成し、地区説明会を行った後、平成30年12月に(農)平田の百姓屋を設立しました。
 令和元年度は9haの水稲を栽培(主食用米、飼料用米)しており、4年後には20haの農地を請け負う体制を整えます。また、法人の経営を安定させるために、今後はショウガやニラなどの野菜にも取り組んでいく予定です。

  • 4.今後の展開(これからの課題、将来に向けて)

関係機関との連携を深めて、組織設立を進めていきます。
集落営農組織の経営を安定させる必要があるため、任意組織の法人化を進め、経営の安定につなげていきます。また、管内の集落営農組織の中心品目となっている水稲の栽培技術の向上を支援し、収量、収益の確保を進めていきます。
一方、高齢化による担い手の減少などの農業を取り巻く環境の変化が早く、単独の集落営農組織だけでは、労働力不足や高齢化により、地域の農地を守ることが困難になってきています。そこで、近隣の集落営農組織が連携(労働力の補完、大型機械の共同利用等)して、より広い地域の農地を守っていける体制の整備を進めていきます。