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グリーンフォーカス 令和2年3月号

須崎農業振興センター 高南農業改良普及所 : 2020/03/01

ニラの生産継続・拡大に向けた出荷調製作業の効率化支援

  1. 地域の現状および取り組みの背景

 JA高知県四万十のニラは、野菜販売額の33%を占める基幹品目となっていますが、労働時間の85%を占める出荷調製作業(不要葉を取り除く「そぐり作業」と「計量結束作業」)にかかる労働力の確保が課題となっており、出荷調製作業の労力不足により適期収穫ができず、ニラを廃棄する事例が増えていました。
 平成25年度に行った「労働力に関する調査」結果により、今後は労働力が不足することが予測されたことから、省力化を目指し「水圧式ニラ洗浄そぐり機(以下、そぐり機)」の導入を推進しました。その結果、平成28年度までに10台のそぐり機が導入されましたが、導入率は14.5%に留まっていました。
 そこで、平成29年度から、そぐり機の普及が進まない要因と利用実態を調査するとともに解決策を農家に示し、出荷調製作業の効率化に取り組みました。


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  1. 活動内容

(1)出荷調製作業の実態把握及びそぐり機の導入推進
 平成29年11〜12月、ニラ部会員全戸を対象に、出荷調製作業の実態やそぐり機に対する意見について聞き取り調査を行いました。
 併せて、特に規模拡大意向農家や収穫遅れにより廃棄処分している農家などに対して、そぐり機の効果や活用できる補助事業などを紹介し導入を推進しました。


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(2)そぐり機導入農家の使用実態調査と効率的な活用方法の検討
 平成30年8〜11月、そぐり機の利用歴が長い6戸の農家を対象に、そぐり機の使用方法や工夫点について調査を行いました。
調査にあたっては動作の無駄を省くための手法である「カイゼン」の視点を持って作業工程毎に写真や動画として記録・調査しました。


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(3)優良事例の紹介及びそぐり機の導入推進
 平成30年〜31年度とりまとめた優良事例集や作業工程を記録した動画を使って現地検討会や研修会を開催し、導入農家からの助言等を交えながら、農家へ作業工程の優良事例を紹介し導入を推進しました。
 また、平成30年度に新たに導入した農家に対して、個別巡回において作業時の疑問や課題を聞き取りながら優良事例を紹介し、重点的にフォローアップを行いました。


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  1. 活動の成果

(1)そぐり機導入済みの農家からは「機械操作に時間がとられる」、「他の人はどのように使っているのだろうか」、未導入農家からは「機械操作の時間が増え栽培管理がおろそかになるのでは」といった意見が出されました。
 収穫遅れによりニラを廃棄する農家が34%いること、規模拡大意向農家が25%存在し、うち65%が労働力不足であることなども明らかになりました。
 また、収穫遅れによるニラの廃棄割合を面積換算すると2.4ha相当となりました。


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(2)そぐり機の有用性を農家に知ってもらうために、そぐり機へのニラの投入方法や機械の設定方法、不要葉の処理方法等の優良事例を作業工程ごとにとりまとめた事例集を作成しました。


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(3)農家に対して、動作の無駄や改善点を写真や動画を使って視覚的に伝えることで、効率的な作業工程を周知させることができました。農家からは、「ニラの投入作業を見直した結果、機械操作時間が短縮した」、「そぐり機導入時の参考になる」等の声が聞かれました。そぐり機の導入効果が期待できる農家への重点推進や、作業工程優良事例集の周知などにより、令和元年度末までに導入台数が合計23台となり、省力化が進みました。
 また、平成30年度導入農家からは、「機械操作と栽培管理を両立できるように意識してそぐり機を使用している」、「他農家の工夫をまねしてみた」と言った声が聞かれました。


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  1. 今後の展開

 新規にそぐり機を導入した農家などで操作に課題のある農家もいますので、これからもフォローアップ及びそぐり機未導入農家への導入推進に取り組んでいきます。
 また、JAへの計量結束作業の委託化が検討されており、事業計画の作成支援や、計量結束機導入後のそぐり機の使用方法の見直しなど、出荷調製作業の更なる効率化を進め、ニラ生産の継続・拡大につなげていきます。