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グリーンフォーカス 令和元年12月号

中央西農業振興センター 高吾農業改良普及所 : 2019/12/02

経営に参画できる女性農業者の育成

  • 地域の現状(背景)

 高吾普及所管内では、JA生産部会に女性組織がなく、勉強の機会や交流の場が少ないのが現状です。また、高知県農村女性リーダー高吾地区協議会では、研修会や交流会などを行っていますが、回数や参加人数が少ない状況です。
 経営に参画する女性農業者を育成するためには、女性農業者のニーズに沿った、栽培技術や経営管理の研修会及び交流の場を設定する必要がありました。


管内図

※高知県農村女性リーダーとは
農業経営と農家生活の改善に意欲的で、地域活動に意欲を持って取り組む女性農業者を、農村女性リーダーとして高知県が認定しています。


  • 活動内容

(1)はちきん農業大学高吾地区講座の開催
 高知県では、女性農業者の栽培技術や経営管理能力の向上、交流の場の創出を目的に、平成29年度に「はちきん農業大学」を開校しました。県全体の講座とは別に、高吾地区でも、平成29年度から、女性農業者を対象に農業施策、労務管理、農業基礎、新技術、経営管理などの各分野の内容の講座を、施設園芸農家が出席しやすい夏場を中心に開催しています(令和元年の内容は表−1参照)。
 農村女性リーダーや新規就農者、生産部会などの女性農業者をリストアップして、講座への参加を呼びかけました。また、県域講座への参加を呼びかけました。毎回、講座内容の理解度やどのように実践するかの意向についてのアンケートを実施しています。


表1 講座風景

(2)ニラ女性農業者の講座参加のきっかけづくり
 高吾地区講座生のニラ女性生産者が、「毎年新規就農者が増えていくなか、夫婦や親子で経営内容をみて、今後の経営改善を図ることが大事である」との意見がありました。また、同時期に平成30年11月の「県域講座「香川県(株)Sun so 〜讃葱〜」への先進事例研修の参加確認があり、ニラ生産農家が取り組んでいきたい課題である作業場の環境改善等が視察内容であるため、ニラ女性生産者に声を掛けることになり、8名が参加することになりました。
 先進事例研修前に自分たちの出荷調整作業場の現状を知るため、普及所の経営・担い手担当、栽培担当とJAがともに支援して、事前研修会(出荷調整作業場の視察と意見交換会)を開催しました。
 先進事例研修参加者にはアンケートを実施し、研修直後の11月に反省会を開催しました。
 反省会での意見では、「ホワイトボード活用による作業内容とスケジュールの見える化は取り入れたい」などの意見がありました。また、今後の活動については、「女性でもっと他の農家の栽培状況や作業場を見て学びたい」という声があり、ほ場見学会を2月に開催するとともに、元年度の活動計画を検討しました。


出荷調整作業場視察 圃場視察

(3)ニラ女性生産者の課題に応じた計画活動の支援
 元年度は、ニラ女性生産者ベテランから新規就農者9戸を対象にした「ニラ講座」を計画しました。年度初めに、ニラ生産女性農業者9名を対象に、個々の「活動目標設定(チャレンジプラン)」を支援するなかで、「他産地のニラの生育を知る」「環境制御技術を理解できる」「講座に参加し交流を深める」「実際に簿記をつけて学ぶ」などの目標を立てました。
 7月には、経営管理講座「農家経済のしくみについて」を開催しました。9月に、(高知県)香美地区のニラ生産者2戸の先進事例研修を実施し、ほ場でのニラの生育状況と出荷調整作業場を視察研修しました。また、研修の満足度や理解度と、今後受けたい講座内容を把握するため、アンケート調査を実施しました。
 10月に先進農家研修の反省会を開催し、研修内容をふり返りました。また、ニラ部会(月例会)での研修報告内容や、役割分担について話し合いました。


経営管理講座 香美地区先進事例農家での研修

  • 地域の動きや活動の成果

(1)県の先進事例研修には8名が参加し、「作業の見える化の事例を取り入れたい」との声が複数聞かれ、改善意欲が高まり、ニラ女性農業者による継続した活動につながりました。ほ場見学会では、我が家の栽培管理と比較したり、調整作業場の改善を考える機会になりました。

(2)香美地区の先進農家研修には、ニラ女性農業者8名が参加し、参加者からは栽培管理や経営、労務管理など様々な質問が多く出され、「かん水など自分のところの栽培方法を見直してみる」、また、「視察後夫婦で話し合い、収量性が高い品種を栽培することにした」など栽培管理の向上につながりました。また、「経営スタイルが違う2戸の農家を研修できて良かった。規模拡大については、収益を上げるには、一度に拡大せず、長期に渡って規模拡大をすべきだと思った」など経営目標を考える機会になりました。

(3)元年には、9名が活動目標(チャレンジプラン)を設定し、目標を意識して取り組んでいます。経営管理講座では、家計仕向け可能額を把握する必要性が理解され、経営管理意識が高まりました。
 女性の視察研修会が部会活動に位置づけられ、元年度は、部会で女性農業者自らが研修報告をしました。また、女性農業者の提案で、ニラ部会で女性を対象にした目ならし会を実施するなど部会活動が活性化し始めました。


  • 今後の展開

 「男性と女性は視点が違うので、男女がともに研修に参加する意義がある、研修を引き続き実施して欲しい」との声が多数ありました。ニラ部会では、1戸の農家から複数は参加しにくい状況があり、当面は女性のみの研修会を継続します。
 また、経営(個別)面談などの機会を活用して、経営主とともに、経営実績をもとに課題を考え、経営目標を立て、パートナーとして経営改善につながる具体的な取り組みの提案ができる女性農業者を育成します。