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グリーンフォーカス 令和元年10月号

中央西農業振興センター 農業改良普及課 : 2019/10/01

集落営農組織の法人化による地域の農業を支える仕組みづくりの推進〜農事組合法人上東〜



  • 地域の現状(背景)

上東地図

 上東地区は、いの町吾北地区(旧吾北村)の東部に位置し、吾北地区を東西に横断する国道439号線添いの土佐町に接するまでの急傾斜地を含む中山間地域です。農地は標高約280〜500mにあり、国道添いは一部基盤整備されているものの、ほとんどが狭小・飛び地・棚田などの条件不利地で水稲栽培(食用米、一部酒米)が中心です。また、一部で夏秋を中心とする野菜栽培や加工用茎ワサビ、ユズ、コンニャク芋、和紙原料となる楮などの栽培が行われています。営農は兼業農家主体の地区で、全国共通課題となっているが高齢化による農地・農村の維持管理が課題となっています。

 こうしたなか、地区内の中山間地域等直接支払制度に取り組む5集落が連携し、平成21年1月に任意組織である上東地区営農組合を設立し、交付金を活用した水稲の施設・機械等の導入、機械の共同利用、田植え・防除・収穫等の水稲農作業受託に取り組んできました。しかし、今後も加速化する高齢化などによる農作業受託作業の増加やこれに伴うオペレーターの確保、将来的な組織への農地集積、組織の継続性等の見地から、地域の農業の担い手となる法人化による組織体制の強化が求められていました。



  • 活動内容
  1. 法人設立に向けた支援

(1)集落営農塾(法人化講座)の実施
 平成27年度の総会で法人化に向けた学習を活動方針に位置づけ、以後、平成27〜30年度年度にかけて月一回の役員会を活用した集落営農塾(法人化講座)を開催し、上東地区に合った法人形態を決め、ビジョン、事業内容及び事業年時計画、組織体制、定款、運営規約等の策定を支援しました。

(2)集落営農法人先進地事例視察研修の実施
 町と連携し、平成27年〜28年度に県外2事例、県内2事例の集落営農法人組織への視察研修を行い、法人運営の実態や課題について組合員の理解を深めました。

(3)組合員及び地区住民への説明会及び法人設立総会の実施
 平成30年度に、法人設立説明会及び法人設立総会の開催を支援し、組合員及び地区住民への法人組織設立への理解を深めるとともに、組織参加への意欲を高め、法人設立を支援しました。


勉強会 視察研修 法人化説明会 設立総会

2. 法人化後の組織運営支援


集落営農塾

(1)集落営農塾(法人運営講座)の実施
 月一回の役員会を集落営農塾(法人運営講座)に位置づけ、機械の新規導入・更新計画の策定、農作業受託の拡大や有望品目導入等に係る検討を支援しています。

(2)法人経営における簿記記帳・確定申告支援
 適宜、法人経理担当者に対し会計ソフトによる簿記記帳入力や確定申告作業等について個別指導を行っています。

(3)非組合員も含む水稲栽培学習会の開催支援
 任意組織時代から継続した取り組みとして、水稲(食用米・酒米)の品質向上、並びに周辺地域・組織との連携及び農作業受託拡大への啓発を目的とした水稲栽培学習会の開催を支援しています。


簿記記帳支援 水稲栽培学習会

  • 活動の成果
  1. 法人設立に向けた支援

 平成31年1月にいの町で第1番目の集落営農法人となる「農事組合法人上東」が設立されました。
【累型】水稲作業受託+施設機械共同利用 【構成人数】34人 【従事者数】オペレーター4人
【経営規模】(平成30年度上東地区営農組合総会資料及び(農)上東総会資料より)
      作業受託:代掻き・田植等2.1 ha、防除3.3 ha、収穫2.5 ha、乾燥調整5.6 ha(延べ)
      水稲機械共同利用:2.6 ha(延べ)
【取り組みの特徴等】運営資金は、中山間地域等直接支払制度交付金(5地区)の2割を法人に振り分けて、経営安定及び計画的な機械更新に活用。農家以外も準組合員として法人活動に参加可能。


2.法人設立後の運営支援

(1)役員定例会で協議し、令和2年度以降の機械導入・更新計画の概要が決定し、購入費用の確保・積み立て計画を策定することになりました。

(2)経理担当者の簿記記帳農力が高まり、経営管理能力が向上しました。

(3)病害虫発生消長と防除・穂肥等肥培管理技術が向上しました。また、周辺集落営農組織等との組織連携の必要性が周知されました。



  • 今後の課題と展開

1.組織運営について 

 安定した法人経営の確立が課題となっています。
このため、令和2年度から始まる第5期中山間地域等直接支払制度での共同取り組み(現状2割)の再検討が求められています。
 
 また、今後の条件不利地を含む農地集積と合理的管理法、有望品目の導入検討が中・長期的な課題となっています。
 
 一方、法人移行後も任意組織設立時から役員・オペレーターは、ほぼ変わっておらず、次代の役員及びオペレーター候補の確保・育成が急務となっています。


2.地域連携について 

 令和元年度から複合経営拠点となったいの町農業公社、ならびに上東地区近隣の集落営農組織等との連携や役割分担による効率的に地域の農地を守る仕組みの検討が求められています。