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グリーンフォーカス 平成30年11月号

農業技術センター茶業試験場 : 2018/11/01

チャトゲコナジラミ(新害虫)の発生生態と天敵類による密度抑制効果

  • はじめに

本県では、2011年にチャトゲコナジラミの発生が確認されていますが、他県では荒茶への成虫の混入、排泄物による茶葉へのすす病の発生、荒茶品質の低下や減収が報告されており、地理的分布や発生生態の解明が急務となっています。
そこで、本県におけるチャトゲコナジラミの発生生態とその寄生蜂シルベストリコバチおよび寄生菌Paecilomyces cinnamomeus(以下、P. cinnamomeusとします)による密度抑制効果を明らかにしましたので、その概要を報告します。


  • チャトゲコナジラミの発生生態と天敵類の密度抑制効果

1)チャトゲコナジラミは、県内のほぼ全域に分布が拡大しました(写真1、2、図1)。


チャトゲコナジラミ
地図

2)チャトゲコナジラミの発生は、標高が低い地域では年4回、標高が高い地域では年3回でした。天敵シルベストリコバチの発生は、チャトゲコナジラミの発生ピークと同時期〜約10日後にみられました(図2)。


発生消長

3)寄生蜂シルベストリコバチと寄生菌P. cinnamomeusは、県内の10地点のほぼすべての調査茶園で発生がみられ、それらの寄生率の合計は2014年9月以降約80%以上で推移し、チャトゲコナジラミの羽化数は減少しました(写真3、4、図3)。



写真34


推移

  • 留意点

チャトゲコナジラミの分布は、黄色粘着トラップ(ホリバー(黄)またはITシート(透明)を両面に貼付した10×10cm黄色粘着トラップ板)を摘採面上約20cmに一番茶摘採時期(4月下旬〜5月中旬)に設置し、誘殺された成虫の有無を調査しました(図1)。
チャトゲコナジラミとシルベストリコバチの発生消長は、10×10cm黄色粘着トラップを、摘採面上約20cmおよび樹冠内(摘採面下約15cm)にそれぞれ2ヵ所設置し、誘殺された成虫の個体数を約10日間隔で調査しました(図2)。
チャトゲコナジラミの羽化数とシルベストリコバチとP. cinnamomeusの寄生率は、チャトゲコナジラミ越冬世代(5月)、第1世代(8月)および第2世代(9月)の発生ピーク後に各茶園でチャトゲコナジラミ寄生葉50枚を採取し、調査しました。調査茶園は、県内の主要産地から10地点(安芸市入河内2地点、仁淀川町川渡、森、沢渡、津野町桂、程落、宮谷、四万十町下津井、河内)を選びました(図3)。


  • わりに

チャトゲコナジラミの県内での地理的分布や発生生態が明らかになりました。また、寄生蜂シルベストリコバチと寄生菌P. cinnamomeusの寄生状況が明らかになり、これらがチャトゲコナジラミの密度抑制に寄与していると考えられました。