グリーンフォーカス 平成30年10月号
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大野見米ブランド化への支援
- 対象:おおのみエコロジーファーマーズ(中土佐町)
- 対象の概要
中土佐町大野見地区は、四万十川源流点から18kmほど下流に位置し、海抜300mの高原台地です。自然豊かな里山、また昼夜の寒暖差があるため、良食味米ができる地区として知られています。「おおのみエコロジーファーマーズ」は、消費者に選ばれる米産地の形成をめざし平成25年に設立した組織で、現在メンバーは7名です。品種は、ヒノヒカリやにこまるを植付し、化学農薬や化学肥料を慣行栽培の50%以下に抑えるなどして栽培した、特別栽培米「四万十の清粒 特栽 大野見米」を作っています。また平成26年には色彩選別機を導入して、より品質の良い米の販売にも力を入れています。
- 活動内容と成果
おおのみエコロジーファーマーズを対象に、大きく3つ(収量・品質の向上、販路の拡大と安定化、地域内外の方との交流の場づくり)の取組を支援してきました。
(1)収量・品質の向上
「四万十の清粒 特栽 大野見米」を生産するには、食味値が高く、化学農薬や化学肥料に頼らない栽培が必要になります。そこで、須崎農業振興センターとおおのみエコロジーファーマーズが中心になって、毎年、栽培暦を作成し、今年の苗づくりや本圃での栽培管理について話し合い、おいしい米づくりをめざしています。
その後、育苗段階から各育苗ほ場を巡回し、生育状況や病害虫の発生状況を確認し、健全な苗ができるよう指導しています。さらに、特に品質に影響が大きい出穂前には、現場巡回を行い、適切な防除時期について、農家と共有しています。そして、収穫時には坪刈調査を実施し、今年の作況について振り返りをしています。
(2)販路の拡大と安定化
おおのみエコロジーファーマーズ執行委員会に須崎農業振興センターも参画し、より良い販売方法や販路拡大について検討してきました。その中で、農産物の展示・相談会に参加した所、県内外での取扱店舗が増え、販路の拡大につながりました。
また、大野見新米フェスタやふるさと祭りなどでの試食販売を毎年行っており、取り組みの認知度も高くなってきています。
(3)地域内外の方との交流の場づくり
地域内外の交流の場として、大野見小学校・大野見中学校の生徒と生き物調査を毎年行っています。
さらに、高知県立大学健康栄養学部の学生「COME☆RISH」とは、田植え・田んぼの生き物調査・稲刈り・料理教室など、大野見のお米を通じた交流が続いています。「COME☆RISH」は、これらの活動などが評価され、平成30年度「第2回食育活動表彰」農林水産大臣賞(大学の部)を受賞しました。
- 今後の方向性
○おおのみエコロジーファーマーズの活動が継続していけるよう、関係機関と連携して、より良いお米の生産に取り組みます。
○特に、平成30年度からは、「四万十の清粒 特栽 大野見米」のおいしさを客観的に評価していくため、食味コンクールへの出品を計画しています。須崎農業振興センターが定期的に現地を巡回・指導し、メンバーはより一層、栽培管理に熱心に取り組んでいます。
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