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グリーンフォーカス 平成30年4月号

中央東農業振興センター 農業改良普及課 : 2018/04/01

ニラ産地の拡大に向けた出荷調製作業の省力化への支援

  • 背景とねらい

○高知県はニラの生産量全国一を誇り、なかでも香美市と香南市を管内とするJA土佐香美ニラ部会の生産者数は202戸で栽培面積は86.4ha(平成29年)と県内の約60%を占めています。
 ニラ栽培では、収穫後の出荷調製作業が総労働時間の80%を占めています。平成24年に実施した「ニラ農家の雇用に関する意向調査」では、回答者の56%が出荷調製作業労力が不足していることが分かりました。労力に応じて収穫量を調節することから、最盛期には刈り捨てや廃棄、栽培の打ち切りなどによる出荷量の伸び悩みが問題となっています。
 平成27年にニラの出荷調調製時に不要な下位葉を除去する機械(以下、そぐり機)の能力について先進地事例を調査した結果、出荷調製作業が大幅に省力化されることを確認しました。そこで、出荷量の増加を目指し、出荷調製作業の省力化対策として、そぐり機の導入支援に取り組みました。


  • 活動内容

○そぐり機の導入効果の検証
 そぐり機を導入した農家を個別巡回し、作業体系や出荷量、出荷調製作業速度の変化、導入によるメリット、デメリットについて調査しました。


導入効果の調査の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

導入効果の調査の様子



○有効性の周知及び導入推進
 調査した内容は、ニラ部会員間で情報共有を図る情報誌「ニラ通信」で紹介し、出荷場で全部会員に配布しました。さらに、そぐり機の導入を悩んでいる農家とともに、そぐり機をすでに導入している農家を訪問し、使用した感想を直接聞く機会を設けました。また、そぐり機の導入効果や農家の機械作業上の工夫点などについて記載した「そぐり機活用事例集」を作成しました。栽培講習会では、事例集をもとにそぐり機の上手な使い方や導入効果を説明し、周知を図りました。


栽培講習会 そぐり機活用事例集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       栽培講習会            そぐり機活用事例集


○作型改善案の提案
 ニラ経営では、単価が高い厳寒期の収量を増加させることや、春期に集中する収穫量を分散させ、刈り捨てなどの収穫ロスをなくすことが重要です。また、年間を通してそぐり機を効率的に稼働させるため、そぐり機導入農家に作型を上手く組み合わせる作型改善を提案しました。今年度の作型と収穫日を聞き取り、農家と一緒に計画どおり作業できているか確認し、今後の栽培について話し合いました。さらに、現在の作型の課題を明らかにし、次年度の作付計画の作成を支援しました。


作型の聞き取り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作型の聞き取り


  • 活動の成果

○そぐり機の導入によって、1人当たりの出荷調製作業速度が1.3〜2倍に向上しました。また、3〜6月の最盛期を中心に、出荷量は6戸中5戸の農家で7〜43%増加しました。導入農家では、出荷調製作業員が減少しても、出荷量が維持または増加したり、短い作業時間で導入前と同じ出荷量を維持することができました。作業全体としては、そぐり機の操作時間が1時間〜2時間30分増加したものの、調製作業が効率化されたことで、そぐり機導入前と同じ調製作業時間で出荷量を増加させることができました。


そぐり機の活用状況

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そぐり機の活用状況



○調査結果を「ニラ通信」や栽培講習会で紹介したところ、そぐり機の有効性が理解され、29年度までにそぐり機が33台導入されました。農家からは、「ニラ通信を読んで、そぐり機の導入を決めた。」「より効率的にそぐり機を活用できるように、機械の勉強会を開催しよう。」との声が聞かれました。

○作型を改善した農家からは、「最盛期の出荷量を分散することができた。」「来年はもう少し早めに定植してみる。」などの声が聞かれました。


  • 今後の展開

○ 経営に応じたそぐり機の導入推進
大規模農家でのそぐり機の効率的な利用体系の確立や、個人でそぐり機を導入することができない小規模農家や新規就農者等への対応について検討します。また、そぐりセンターの整備に向けて支援します。

○作型改善の提案と効果の検証
作型改善を行うことで、出荷量や販売額への効果を検証します。また、作型改善の意向農家に対し、改善計画の作成を支援します。