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グリーンフォーカス 平成30年2月号

高知県立農業担い手育成センター : 2018/02/01

 

 

 

農業担い手育成センターの概要

農業担い手育成センターは、『新規就農者の確保・育成の拠点』、『収益性の向上による産地の維持発展、農家所得の向上を目指す先進技術の実証・普及の拠点』として、平成26年に開設されました。設立時から県内主要施設野菜施設内環境制御による高収量モデルを実証展示するとともに、即戦力として期待される農家子弟やこれまで農業にかかわりのなかったIターン就農希望者等が就農に必要な知識や技術を身につけるため、「土壌肥料」や「農業簿記」等の基礎を学ぶ座学や「ナス」「ピーマン」「ニラ」等主要品目の栽培実習による研修を行っています。『就農希望者長期研修』では1224カ月のコースを設定しており、就農希望品目の決定後は品目固定としてそれぞれの品目に特化した研修を行っています。

ナス冬春栽培は高知県が全国の30%以上の出荷量を誇る日本一の産地ですが、近年高齢化等により栽培農家や生産量が減少してきており、日本一の産地を維持発展させるためにも反収の向上や新規就農者の参入が期待されています。今回は当センターにおけるナスの取組についてご紹介します。

 

ナスにおける実証展示の概要

センターは設立時から「炭酸ガス施用」「オランダ型変温管理」「細霧装置による湿度管理」等の環境制御によるナス高収量技術に取組んでおり、畝幅や株間を狭めるなどにより主枝密度を慣行の3本/m2程度から4.4本/m2以上高めることで30t/10a以上の高収量が得られることを実証展示してきました。しかし密植では収穫時に果実を見つけにくく作業性を改善する必要がありました

そこで本年度は安芸農業振興センターとも連携し、2条2本垣根仕立て、主枝密度4.4本/m2の条件において、これまで2月頃まで残していた主枝着生葉を早い時期(主枝果収穫時に、そこから下位の主枝着生葉を全て摘葉する)に摘葉する「強摘葉」の作業性改善効果検討しています。側枝の収穫や整枝を行う際に視界を遮る主枝着生葉を早期に取り除き、果実や孫枝等を見つけやすくすることを目的としたものです。

ナス慣行栽培では全体収量の大部分を占める側枝果の収穫については、枝の切り戻しと“スケ葉”と呼ばれる側枝基部の葉を摘除する作業を同時に行います。「強摘葉」は主枝果を収穫する際に、通常残している下葉の摘除作業を行うため、この時期にはやや時間がかかりますが、以降は側枝果が見つけやすく、“スケ葉”の摘葉作業もないことから作業時間は短くなると思われます。1月20日現在、強摘葉区では下位葉の摘葉作業を行うのにもかかわらず、収穫物1kg当りの収穫・摘葉作業時間は慣行摘葉区とほぼ同等で、今後、慣行摘葉区の主枝着生葉が残っている2月中には作業時間短縮の効果が期待できます。

整枝については側枝が見やすくなり、また主枝着生葉の摘葉作業がないため作業時間が短くなっています。今後、作終了まで調査を継続し、誰もが省力的で高収量を目指せる技術として提示できるようにしたいと考えています。

 

ナスにおける研修の概要

ナスに限ったことではありませんが、高知県は栽培技術の非常に高い産地で、当センター修了後の農家研修においては高収量事例を実践しながらの充実した栽培研修が期待できます。そのためナスに品目固定となった研修生については、当センター研修中に各自の気づきや疑問を課題化して、栽培試験や生育調査を行い、葉面積の算出や、現地でも使用されている生育バランスシートを作成する等して作物の生理生態等についても理解を深めてもらっています。

また農業をするには栽培技術のほかに自らのライフプランを元に所得の目標を立て、その達成度をセルフチェックし、改善方法を立案、実践していく経営者としての意識も重要です。そのような視点を養うためナスを志向する研修生にはハウスの管理を任せ、収支計算をしたり、各自のライフプラン作成を促しています。

これらの取組により栽培や経営改善について自ら考え、実践できる若手農業者を地域に輩出できると考えています


図1

 

図1 摘葉方法の違いと月別収量

注)( )内の数値は慣行区を100としたときの比。


図2

 

図2  摘葉方法の違いと収穫・摘葉作業に要する時間

(注)果実1kgの収穫に必要な時間で慣行区を1とした場合の対比。強摘葉区には収穫果より下位の主枝着生葉を摘葉する時間を含む。

 


図3

 

図3  摘葉方法と整枝にかかる時間

(注)慣行区を1とした場合の対比。調査期間:〜2018年1月20日

※主枝及び側枝の摘心、孫枝等わき芽の除去、古葉の摘葉等を整枝とした。

 


慣行摘葉区(左)と強摘葉区

 

慣行摘葉区(左)と強摘葉区

 


調査

 

研修生が行っている調査や生育診断


経営収支

 

研修生がまとめている経営収支


研修風景1 研修風景2

 

研修風景