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グリーンフォーカス 平成29年3月号

中央東農業振興センター 嶺北農業改良普及所 : 2017/03/01

ヒカリ輝く三色ピーマンの産地を目指して〜光照射による出荷量増加への取組〜

  • 地域の現状(背景)

 嶺北農業改良普及所管内のJA土佐れいほくでは、中山間地の冷涼な気候を生かした雨よけハウスを利用した夏秋栽培が盛んです。三色ピーマンは管内の全域で栽培されている基幹品目であり、JA土佐れいほく園芸部では重点品目に位置づけられています。しかし、平成22年から生産者の高齢化が進み、生産量が減少してきました。
 そこで、農業改良普及所では、JA営農販売課と三色ピーマンの産地育成を目指して、➀増収技術の実証及び検証、➁増収技術の普及、➂経営改善の取組の3つの推進計画を作成し、重点的な活動を行いました。また、増収技術としては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構で開発されたカラーピーマンの光照射追熟技術を利用した増収栽培技術に取り組むため、農業技術センターと連携し技術の確立に努めました。


  • 活動内容

(1)JAと目指すべき方向を共有化
 農業改良普及所では、三色ピーマンが抱える課題を解決するため、平成23年にJA土佐れいほく営農販売課と目標達成のための推進方向の共有化を図りました。その後、農業技術センターを交え、推進方向ごとに具体的な活動内容を検討して推進計画を作成し、カラーピーマン部会と連携して課題解決に取り組むこととしました。


表1

(2)増収技術の実証及び検証
 農業技術センターの現地実証試験として、三色ピーマンで「カラーピーマンの光照射追熟技術を利用した増収栽培技術の開発」の実証に取り組みました。
 光照射追熟技術とは、収穫した果実に蛍光灯等の光を照射することにより、果実の着色を促進させる技術です。
 実証の結果、平成23年の実証前と比較して平成25年の光照射追熟により、三色ピーマン出荷量は約12%増加しました。着色できなかた緑ピーマンを含む出荷量全体では光照射追熟により約7%増収しました(図1)。その結果を参考に、ピーマン引き上げ後の経済性を検討した結果、光照射追熟により増収した販売額から光照射処理費を差し引くと、約25万円/10aの増益となりました(表2)。


図1
表2

(3)増収技術の普及
 実証結果は、平成25年からJAカラーピーマン部会の栽培講習会や現地検討会等で報告し生産者に周知しました。また、追熟技術検討会を開催し、技術の内容や実証農家から処理方法の工夫等体験談を報告してもらいました。
 あわせて、栽培講習会や現地検討会等では、初期の樹づくりから夏期の高温対策等の基本技術の徹底を図るようにしました。


追熟

(4)経営改善の取組
 三色ピーマンの生産者の中で、今後担い手として育成する生産者を4戸選定し、経営担当者と品目担当者が一緒に生産者と個別面談し、目標収量や目標所得及び栽培上の問題点や改善方法を栽培チェックシートで共有しました。目標設定した項目や栽培上の改善方法について、7〜9月に生産者と面談し、進捗状況の確認や栽培指導を行いました。栽培終了後に、品目担当者は栽培上の改善方法や新たな問題点を、経営担当者は生産者の記帳から所得を把握し、個別に次年度の目標や改善方法を記入した栽培チェックシートを作成しました。


  • 活動の成果

(1)光照射追熟技術マニュアルの作成
 実証結果から、光照射追熟技術マニュアルを作成することができました。具体的なマニュアルができたことで、技術の普及が容易になりました。


(2)増収技術の普及
 平成24年に4戸であった技術導入者は平成26年には9戸と5戸増加し、平成27年にはさらに4戸、平成28年には2戸が導入し17戸となり、三色ピーマン生産者の83%に導入することができました(図2)。
 三色ピーマンの10a当たりの部会平均収量を比較すると、光照射追熟技術導入前の平成23年では2.2tでしたが、技術導入後の平成28年には9%増加し2.4tになりました。また、三色ピーマ
ンの月別出荷量を見ると、平成23年では夏秋栽培特有の9月以降の低温で減少していた出荷量が、平成27年には技術の導入により
11月から12月まで増加し、厳寒期の翌年1月まで出荷できるようになりました(図3)。


導入 図3

(3)経営改善の取組
 経営、栽培技術指導により、平成26年に経営が改善された生産者は、取組4戸中2戸でした。目標所得未達成生産者は肥料費や薬剤費が多かったことがわかり、定期的な土壌分析による適正量施肥や観察による適期防除や土着天敵の利用等が改善方向として検討されました。
また、記帳結果をもとに三色ピーマンの経営指標を作成し、それを目標に経営改善に取り組むようになりました。


(4)産地の育成
 これらの取組で、三色ピーマンの栽培面積は平成23年120aからわずかに増加し、平成28年には177aとなりました。また、生産者数は平成23年から25年まで横ばいでしたが、平成26年14戸から増加し平成28年には18戸となりました(図4)。
 また、三色ピーマンの販売額は平成25年から増加し、毎年3,000万円以上と増加し、平均販売単価も平成25年から800円/kgと安定しています(図5)。


図4 図5
  • 今後の課題・展開

 光照射追熟技術の平成28年の技術導入率は83%であり、今後も栽培講習会や現地検討会で生産者の理解を深め、さらに普及推進していきます。また、引き続き経営・栽培技術指導を行い、三色ピーマンを経営の柱に育成していきます。
 これらの取組や三色ピーマンの所得向上を進め、若い新規栽培者を呼び込み、三色ピーマンの産地の更なる育成を進めます。