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グリーンフォーカス 平成28年7月号

幡多農業振興センター 農業改良普及課 : 2016/07/01

大玉イチゴ「おおきみ」のブランド化推進

  • 1. 背景と目的

 幡多管内のイチゴ栽培面積は6.59ha、販売金額は1.3億円であり、県内系統農家数では最大の産地(51戸)となっており、JA高知はた営農改善協議会においても戦略品目に位置づけられている。
品種は、「さちのか」「さがほのか」を中心に作付けされており、この2品種で80%(面積5.23ha)を占めている。他には「ゆめのか」「かおり野」「おおきみ」等が栽培されている。
 このようななか、「おおきみ」は大玉で糖度が安定して高く、春以降も味が落ちないことから、高級嗜好品としての評価を得ており、他の品種に比べて高単価で取引されている。そこで、平成27園芸年度に一部の有志で「おおきみ」部会を立ち上げ、通常のパック販売との差別化を図るため「化粧箱(1kg)」を作成し、その後500g箱への変更、輸出にも取り組むなど、贈答品としての有利販売を戦略の柱として取り組んでいる(表1)。


表1. 「おおきみ」価格(kg)及び化粧箱出荷の割合

  おおきみ
(化粧箱)
おおきみ
(パック)
一般イチゴ
(パック)
1)価格(円/kg) 3,066円 1,669円 1,000円
2)出荷割合 18% 82%
注:化粧箱は1果27g(3L)以上が基準

  • 2. 「おおきみ」の課題と問題点

(1)平成27園芸年度出荷実績では、他の品種の約6割(2.0t/10a)の出荷量であった。収穫開始時期が遅く、花数も少ないことがその要因であるため、品種特性に添った管理による「増収対策」が課題となっている。
(2)現在、管内での「おおきみ」栽培は8戸(53a)であり、平均作付面積も6.6aと少ない。したがって、個々の面積拡大や栽培農家の増加によって、産地としての安定的な出荷体制を取ることが、販売店からも望まれている(表2)。


表2. 市町村別イチゴ栽培面積(幡多農振管内)

地域名 イチゴ
栽培面積(ha)
おおきみ
栽培面積(ha)
(%)
黒潮町 2.08 0.09 4.3
四万十市(中村) 2.03 0.30 14.8
四万十市(西土佐) 0.72 0.0 0.0
宿毛市 1.76 0.14 8.0
6.59 0.53 8.0

  • 3. 取り組み内容及び結果

(1)増収対策
 育苗時期の現地指導においては、(1)丈夫な苗の育成 (2)ランナー数の確保 (3)10月上旬定植(通常は9月中〜下旬)の3点を徹底することを目的に意見交換や品種特性の把握・共有に努めてきた。また定植後は、(4)ダニ対策の徹底 (5)電照は12月から控えめに行う等の周知を図ってきた。そうしたなか、「おおきみ」は比較的炭そ病にも強い傾向があることも、近年認識されてきた。
 会員はまだ8名であるが、平成28園芸年度より本格的に栽培技術の周知・向上を図るため、定期的に現地検討会や目慣らし会を行い、安定生産に向けた取り組みを行っている。


写真1 現地検討会(育苗期) 写真2 現地検討会(本圃)

(2)化粧箱の利用(変更)によるブランド化の推進
1)1kg化粧箱(デザイン含む)から500g化粧箱への変更
従来の1kg化粧箱は、漢字表記と赤色基調により「日本らしさ」が無った。また、1kg化粧箱は大き過ぎるため、持ち運びにくいという評価であった。
   化粧箱の変更に係わる資材代等の経費については、「高知県農産物輸出促進事業」を活用した。
2)変更後の評価
  (1)消費者に手に取ってもらえやすくなった。
  (2)箱が小さくなり、生産者が化粧箱を作りやすくなった。
  (3)色彩が赤から黒に変わることで、高級感が出た。
  (4)ピンク色のフルーツキャップの利用で、高級感と輸送中
   の痛み防止。
  (5)長方形から正方形の箱への変更により、他産地との差別 
   化が可能となった。                 
  (6)輸出の促進(香港・マカオ)を図り、輸出業者からは評価を
   得ている。 


写真3 1kg化粧箱(従来のもの) 写真4 500g化粧箱 写真5 マカオの量販店
  • 4. 残された課題及び今後の活動

(1)大玉果(3L以上・化粧箱)の安定生産
(2)栽培面積拡大による安定出荷体制の構築
(3)経済性の評価(経営モデルの作成)
(4)市場・販売店との連携による有利販売及び輸出の推進
(5)ブランドの確立