ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインへ

>> ホーム >> グリーンフォーカス 平成28年6月号

グリーンフォーカス 平成28年6月号

須崎農業振興センター 高南農業改良普及所 : 2016/06/01

四万十町産‘にこまる’のブランド化推進

  • 背景と目的

 県下有数の水田地帯である四万十町の水稲栽培では、高温登
熟障害(白未熟粒の発生)による玄米品質の低下や、全国的な
米消費の減少による米価の低迷などが課題となっています(写
真1)。
 そのため、四万十町では、平成20年度から高温耐性品種であ
る‘にこまる’を導入し、品質向上に向けた取り組を開始しま
した。‘にこまる’の一等米比率は、平成22年度には、主力品
種である‘ヒノヒカリ’の5.5%に対して76.7%となるなど、品
質向上が確認されました。しかしながら、四万十町に適応した
栽培技術が確立していないことや、近年の気象変動により期待
される品質向上につながっていないのが現状です。
 また、米価低迷への対策としては、平成25年度から‘にこま
る’のブランド化を目指し県外販売に取り組んでいますが、四
万十産の‘にこまる’の認知度がまだまだ低いため、販売戦略
づくりが必要となっています。
 そこで、普及所では関係機関と連携して、産地に適した栽培
技術の確立や、四万十産‘にこまる’のブランド化に向けた販
売戦略づくりに取り組みました。


四万十町の田園風景

 写真1 四万十町の田園風景


  • 取り組み内容

(1)品質向上に向けた栽培技術支援
 1)栽培講習会、現地検討会の開催
    土壌分析結果による土づくりと栽培のポイントについ
   て講習会を開催しました(写真2)。
    また、栽培期間中のポイントとなる時期に現地検討会
   を開催しました(写真3)。


栽培講習会の開催 現地検討会

 写真2 栽培講習会の開催    写真3 現地検討会


 2)品質(粒張り、食味)向上対策
    品質向上に向け、出穂45日前に調整肥の施用などを指
   導しました(写真4)。


現地での栽培指導

 写真4 現地での栽培指導


 3)産地に適応した栽培技術の確立
    実証ほ場を設置し、適切な移植時期、栽植密度、収穫
   時期を調査しました(表1及び図)。
    また、四万十町産‘にこまる’の栽培マニュアル原案
   を検討、作成しました。


各移植時期及び栽植密度での収穫期調査結果

表1 各移植時期及び栽植密度での収穫期調査結果


栽植密度による積算温度と整粒割合の相関

図 栽植密度による積算温度と整粒割合の相関


(2)ブランド化に向けた戦略づくり
 1)ブランド化検討会
    ブランド化に向け、地産外商販売戦略の検討、首都圏
   米穀店の実需者との米消費動向や米穀情勢についての情
   報共有、料理研究家を招き四万十町食材を用い‘にこま
   る’にあった料理レシピの開発に取り組みました(写真5)。


料理研究家との勉強会

 写真5 料理研究家との勉強会


 2)販売促進活動、新たな販売方法の検討
    東京のアンテナショップ「まるごと高知」や、首都圏
   の有名米穀店である(株)スズノブを通した販売促進活動
   に取り組み、四万十町産‘にこまる’のPRやアンケー
   ト調査を実施しました(写真6)。
    四万十町内にある道の駅や直販所で、白米真空包装で
   の販売にも積極的に取り組みました(写真7)。


販売促進活動 直販所での販売

 写真6 販売促進活動      写真7 直販所での販売


  • 結果(成果)

 1)生産者と関係機関が一体となり、講習会や現地検討会な
   ど栽培技術の向上に取り組んだことで、作付面積が拡大
   しました。
   実証ほの結果から、栽植密度による差は明らかではあり
   ませんでしたが、5月中下旬頃に移植し、出穂後の積算温
   度1000℃前後で収穫することで、品質が向上できること
   がわかりました。
   平成23年度から‘にこまる’の栽培面積は増加し、平成
   27年には174.6haとH23に比べて74.6%面積が拡大しまし
   た(表2)。


四万十町における‘にこまる’の作付面積の推移

 表2 四万十町における‘にこまる’の作付面積の推移


 2)四万十町食材(ニラ、セリ、ショウガ等)を用い‘にこ
   まる’に合う料理レシピが6品開発できました。また、
   販売促進活動等でこれらの料理レシピを提案することが
   できました。
   (株)スズノブ店頭で行ったアンケート調査の結果から、
   首都圏等での米の消費傾向についてデータを90名分収集
   できました。
   真空方法での販売に取り組み、今後の販売ツールの1つ
   として確立できました。


  • 残された課題および今後の活動

 1)高品質生産に向けて、実証結果などを基に栽培暦や栽培
   マニュアル原案を見直していく。
 2)今後も、消費者のアンケート調査などを実施し、首都圏
   等で有利に販売できるよう取り組む。
 3)‘にこまる’の知名度の向上や、さらなる販売戦略が確
   立できるように取り組む。