ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインへ

>> ホーム >> グリーンフォーカス 平成28年度2月号

グリーンフォーカス 平成28年度2月号

中央西農業振興センター 高知農業改良普及所 : 2016/02/01

「芥藍菜(カイランサイ)」の産地化を目指して


  • 普及活動の背景とねらい

 JA高知市の東部露地野菜部会では、水田の裏作としてブロッコリーやキャベツなどを栽培してきました。しかし、水稲作を主体とした生産者による補完的品目のため、出荷量が少なく他産地との競合に弱く、販売単価が不安定でした。そのため、これらに代わる新たな有望品目の導入と産地化が望まれていました。
 こうした中、湿田でも栽培可能で他産地との競合が少なく、市場の需要も見込まれる「芥藍菜(カイランサイ)」に着目しました。「芥藍菜」は、キャベツやブロッコリーの仲間で、チャイニーズブロッコリーとも呼ばれる中国野菜の一種です。部会では、平成21年から試験的に栽培を開始し、平成23年には部会内にカイラン部を立ち上げて、本格的生産に取り組み始めました。しかし、新規品目のため栽培面で不明な点が多いことから平均収量が低く、また栽培者が少ないことが課題でした。

 そこで、栽培技術の確立による目標収量の確保と、面積拡大による「芥藍菜」の産地化に取り組んできました。ここでは、平成27年の普及活動を説明します。


かいらんさい

収穫間近の「芥藍菜」
(ブロッコリーのように蕾の部分を収穫します)


  • 普及活動の内容と成果

1.生産拡大に向けた取り組み
 平成27年作での新規生産者の掘り起こしに向け、JA高知市と協議して、介良および大津地区の稲作部を栽培推進対象として選定しました。また、各部会の研修会を活用して「芥藍菜」の特徴や栽培概要を説明し、新たな導入へ啓発しました。
 6名が新たな作付けに関心を示したので個別に面談した結果、4名が45aで栽培を開始しました。新規栽培者の早期の技術習得のため、重点的に現地指導を行ったところ、適正に追肥や灌水等が行われ順調に生育しています。平成27年作での生産者は15名、栽培面積は165aに拡大しました。


2.収量及び品質の安定に向けた取り組み
(1)栽培管理技術の確立
 新規導入品目のため、地域に適応した栽培管理技術は未確立でした。そこで、過去の肥培管理と収量データを整理・分析し、適正肥培管理モデルを策定しました。また、定植や収穫方法等を見直し、栽培暦を改訂し提示しました。栽培講習会や現地検討会では、基本的栽培技術とともに生育ステージに応じた管理方法を指導し、部会全体のレベルアップを図りました。


現地検討会

現地検討会で栽培技術を学び合います


(2)病害防除対策の検討
 「根こぶ病」の発生により収量が低下し、大きな問題となっていました。「根こぶ病」は従来からブロッコリー等の栽培でもみられましたが、土壌伝染性病害のため防除は困難でした。そこで、新たな対策として、転炉スラグ等のアルカリ資材による土壌pH(酸性・アルカリ性の程度)の矯正や「おとり大根」を利用してほ場の病原菌密度を下げる防除方法について、現地実証試験を実施しています。その結果、検定植物を用いた中間調査では防除効果が確認されており、今後も調査を続けていく予定です。

(3)品質安定対策の検討
 需要の高い関東市場を中心に出荷していますが、収穫初期の10月頃には鮮度がやや低下する事例が一部でみられます。そこで、収穫・調整方法や包装方法、予冷温度等を改善するなど、生産部会が一丸となって品質保持に向けた取り組みを進めています。


写真

出荷規格を統一するため目慣らし会を開催


  • 今後の課題と展開

 当産地「芥藍菜」の市場評価を調査したところ出荷増量が要望されており、それに応えていくように生産者の意欲も高まっています。今年度改訂した栽培暦に基づき管理されたほ場での生育や病害防除の現地実証試験結果を検証し、栽培管理技術を確立していきます。また、労力や経費等経営的な評価を加えながら、さらに生産者・栽培面積を拡大し産地化を図っていきます。