グリーンフォーカス 平成27年11月号
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注意を要する病害虫情報
- トマト葉かび病(平成27年9月特殊報)
<発生経緯>
平成27年1月、高知県内の施設トマトにおいて、葉かび病抵抗性品種(抵抗性遺伝子Cf-9)である「CF桃太郎ファイト」に葉かび病の発生が確認されました。
病原性の種類を示す、レースの検定を行った結果、この葉かび病菌は本県では未確認のレース4.9(抵抗性遺伝子Cf-4、Cf-9を持つ品種を侵す菌株)であることが判明しました。
なお、抵抗性遺伝子Cf-9を持つ品種を侵すレースは、これまでに福島県をはじめとする14都県から発生が報告されています。
<病徴>
本病は葉の表面に不鮮明な淡黄色の小斑点を生じ、裏面に灰黄色〜緑褐色のビロード状のかびを密生します。病斑が拡大すると、菌そうも灰褐色から灰紫色に変わります。通常、下葉から発生し、しだいに上葉にまん延し病勢が進むと葉は枯死してしまいます。
これまでに、国内では13種類のレースが報告されていますが、異なるレースであっても病徴は同様です。
また、病徴はすすかび病と類似しており、判別は困難ですが、基本的に防除薬剤は同じですので、同様に防除を行ってください。
<防除対策>
(1)葉かび病抵抗性品種(CF桃太郎ファイト等)を栽培しているほ場でも、葉かび病が発生する恐れがあるため、発生に注意し、早期防除に努めてください。
(2)多湿条件や肥切れ等による生育不良は発病を助長するため、適切な湿度管理および肥培管理を行ってください。
(3)多発すると防除が困難となりますので、初期防除に努め、薬剤は葉裏にもかかるよう十分に散布してください。
なお、薬剤の感受性低下を防ぐため、防除指針を参照し、同一系統の薬剤の連用を避け、他系統の剤によるローテーション散布を行ってください。
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