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グリーンフォーカス 平成27年5月号

農業技術センター果樹試験場 : 2015/05/01

高知県生まれのオリジナル新品種


はじめに
  • はじめに

 本県では、温暖な気候を活かし、ブンタン、ユズ、ポンカン、温州ミカン、日向夏、新高ナシ等様々な特産果樹が栽培されています。しかし今後、温暖化による気象変動や消費者の嗜好の変化等に対応するためには、新たな品種の導入が必要であり、また生産者からは栽培しやすく、労力が分散できる品種が求められています。
 そこで当場では、これらの課題や要望に対応できる新品種の育成を行っています。今回はこれまでに品種登録した県オリジナルの2品種についてご紹介します。


  1. 上村早生(かみむらわせ)

 温州ミカン「上村早生」は、土佐香美農業協同組合果樹部会の探索事業において「興津3号」の枝変わりとして見つかり、2013年4月18日に土佐香美農業協同組合と高知県が共同で品種登録しました。既存品種の「興津3号」や「興津早生」と比べ、果実品質は同程度、果形は扁平で、着色が早く、果皮の橙色が濃いという特性を持っており(表1、2 写真1〜3)、露地栽培では1週間程度、施設栽培においても2〜3週間程度早く収穫を始められ、収穫終わりも早まります。果皮の着色が良好であることは消費者および生産者の要望にも合致し、産地間競争に打ち勝つことができる有望な品種になると期待されています。


上村早生
生態
着色
上村写真

  1. 龍水(りょうすい)

 ニホンナシ「龍水」は、当場で「新高」と「豊水」の交雑実生から育成し、2015年3月3日に品種登録しました。「龍水」の名称には、高知県出身の坂本龍馬にあやかり、「龍馬のように広く世の中で活躍するナシになってほしい」という願いが込められています。品種特性として、収穫時期が「豊水」と「新高」の中間の9月上中旬で、糖度が高く、「新高」よりみつ症の発生が少ないことが挙げられます(表3、写真4 、5)。食感・食味は「新高」に近く、「新高」に慣れ親しんだ消費者には受け入れやすい品種と考えられ、生産者にとっても「龍水」から「新高」へと高品質果実の長期リレー出荷体制ができ,労力分散が図られるとともに有利販売につながることも期待できます。


龍水
龍水写真
  • おわりに

 当場では、県オリジナル品種の育成だけでなく、農研機構・果樹研究所等が育成した系統や品種の特性を明らかにし、本県に適する品種を選定しています。有望な新品種については、各年の生育特性や果実特性のデータを収集して、栽培技術の改善や気候変動等に伴う対応策の基礎資料としておりますので、関心のある方は当場にご相談ください。