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グリーンフォーカス 平成26年12月号

中央西農業振興センター 高吾農業改良普及所 : 2014/12/02

次代を担う産地の後継者対策

1 背景と取組みのきっかけ

 管内町村は、佐川町、越知町、仁淀川町、日高村で、中山間地域が多く担い手は減少傾向で、産地における新規就農者の確保・育成は喫緊の課題です。
 一方、佐川町では、平成21年度に非農家からのニラの就農相談を契機に、ニラ生産者の指導農業士による実践研修を開始し、ニラの新規就農者はその後増加しています。
 佐川町でのニラの実践研修を通じた就農支援を先行事例に、就農希望者の円滑な就農と新規就農者の早期定着を目標として、関係機関が連携した管内全域で就農できる支援体制づくりに取り組むことにしました。


管内の販売農家 新規就農者の状況

2 課題と目標

(1)就農希望者の受入態勢づくり(就農前の課題)
 ・他の町村や佐川町においてもニラ以外の品目では、就農支援について十分検討されず、就農希望者の受入態勢が整っていませんでした。
⇒就農希望者が管内で実践研修できる受入態勢づくりと、関係機関が連携した積極的な就農支援を目指しました。


(2)新規就農者の営農定着(就農後の課題)
 ・平成25年度の新規就農者に対する実態調査では、現在の生活状況は「農業所得だけで生活」がわずか22%で、農外収入や支援に依存している実態が明らかになりました。
⇒新規就農者の経営が早期に安定し、自立して農業で生計が立てられることを目標にしました。



(3)研修会や交流の場づくり(就農前と就農後)
 ・実践研修の効果を高めるためには、農業知識・技術を学べる研修会(座学)が必要であると、指導農業士から普及所に対して要望がありました。
 ・ニラの研修生には、部会活動に参加して栽培技術や組織運営を学べる機会があり、円滑な就農に役立っていました。
⇒就農希望者や新規就農者を対象とした研修会の開催、JAと連携した新規就農者の組織化など、技術習得や交流促進の機会を設けることにしました。


3 活動内容

(1)就農希望者の受入態勢づくり
 ・就農に向けた推進品目の選定、指導農業士候補者の選定、町村での研修事業の制度化など、就農希望者が実践研修できる受入態勢づくりに向けて、先進事例を参考にしながら、JAや町村と検討を重ねました。
 ・就農相談は多様で、本人が希望しても就農が困難な事例もあり、相談対応時に確認すべき項目や相談後の対応を協議できる指標づくりを検討しました。



(2)新規就農者の営農定着
 ・対象品目と支援候補者をJAと検討し、本人の意向を確認して対象者を決定しました。
 ・対象者ごとに、毎年1回は1年間の営農を振り返り、今後に向けた営農計画の作成を勧めています。定期的な巡回や個別面談で、営農計画の実践状況を確認しながら助言指導して、各対象者の目標達成を支援しました。



(3)研修会や交流の場づくり
 ・農業の基礎知識や技術を習得できる普及所主催の「高吾えいのう塾」を開催しました。講師は所内職員が担当し、研修内容は参加者の要望を考慮して所内全員で検討しました。また、一方的な説明で終わらせず、参加者に考えてもらえる研修になるよう工夫しました。
 ・近年、ニラで同世代の若手新規就農者が多くなり、まとまりをもって経営発展を目指せるように、新規就農者の組織化をJAと支援しました。




4 活動結果と波及効果

(1)就農希望者の受入態勢づくり
 ・平成22年度以降、佐川町では、指導農業士による実践研修を通じて4戸8人がニラで新規就農し、現在、ニラ産地を支える担い手になっています。
 ・管内全町村で就農希望者が実践研修できる受入態勢が整い、指導農業士は計16人に増えました。
 ・関係機関が一体になって就農支援を考え、町村独自の支援制度も創設され(小規模のレンタルハウス、壮年就農者向けの給付金)、管内全域で就農できる支援体制づくりが進みました。
 ・就農相談時に面談対応者が確認すべき項目や相談後の対応にあたって判断項目となる新規就農チェックポイントが作成でき、管内各町村の管轄範囲を越えたJAコスモス管内全域での運用により、JAや町村と協議を進められるようになりました。



(2)新規就農者の営農定着
 ・対象者が作成した1年前の営農計画(平成24年度)について、改善点の92%を実践できました。自らが計画した内容を実践し結果を検証することで、次作の営農計画の見直しにつながっています。また、栽培管理や経営改善意識が向上し、着実に早期の営農定着へ進んでいます。



(3)研修会や交流の場づくり
 ・平成25年度の「高吾えいのう塾」参加者アンケートでは、理解度が平均92%、満足度が平均91%でした。参加者は、自らの資質向上につながるとともに、普及所へ悩みや要望などを気軽に相談するようになりました。また、研修生同士の交流だけでなく、栽培品目を越えた新規就農者同士の交流も深められました。
 ・若手新規就農者で構成されるニラ生産部研究会が設立されました(平成26年3月)。
定期的に勉強会を行い、困ったときに助けあったり、お互いに栽培管理を確認して技術を高めあう動きも出ています。



(4)波及効果
 ・就農希望者が円滑に就農でき、近年は毎年10人を超えています。過去5年間の新規就農者数は計80人と、それ以前5年間の計32人から約2.5倍に増加しました。



5 今後の展開

 ・農業担い手育成センターと連携して、研修状況や技術の習熟度などを確認できるチェック項目を設けて、JAコスモス管内に就農させることが適当かを研修中に判断し、適切な就農支援につなげられる仕組みづくりを目指します。
 ・研修後に農地やハウスを確保して円滑に就農できるように、管内の主要品目における農地やハウスの情報をリスト化して、関係機関から随時情報提供できることを目指します。
 ・就農支援がさらに充実できれば、就農相談会の開催や参加などで就農希望者を積極的に呼び込む攻めの対策を関係機関で検討し、産地を担う新規就農者の確保・育成を一層進めていきます。


時代を担う産地の後継者対策