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グリーンフォーカス 平成26年11月号

中央西農業振興センター 高知農業改良普及所 : 2014/11/01

囲いショウガの品質安定対策に向けた取り組み

1.普及活動の背景とねらい


高知市北部山間地域でのショウガ栽培風景

 高知県のショウガの生産量は全国で最も多く、国内産の約44%を占めています。当普及所管内のJA高知市マル朝生姜生産組合(56戸)は57haで栽培しており、県内でも屈指の産地となっています。春に植え付けし秋に収穫されたショウガは直ちに出荷されずに、温度条件などを制御した保管庫で貯蔵・熟成します。その後、周年を通じて出荷されることから、「囲いショウガ」とも呼ばれています。貯蔵期間は数か月から長い場合には1年以上に及びますが、平成20年頃から貯蔵中に品質が低下し、歩留まりが下がることが大きな問題となりました。
 そこで、ショウガの品質低下の原因を明らかにして対策を構じることによって、品質を安定させるための当普及所での活動をご紹介します。


2.普及活動の内容


SWOT

(1)産地振興ビジョンの検討
 平成22年に産地での将来ビジョン策定していく方針を生産組合に提案し、SWOT分析を用いて生産者による検討・協議を支援しました。



収穫・調整方法について現地調査を実施

(2)要因究明に向けた調査と改善策の検討
 品質の低下を招く要因を明らかにするため、栽培履歴や畑での病害の発生状況、土壌や植物体の成分、収穫時期や調整方法、貯蔵条件等を調査し、品質との関連を分析しました。また、分析結果に基づき改善策を検討し、導入へ誘導しました。



(3)関係機関との連携
 各機関と連携して早期に課題を解決するため、平成23〜24年度は生産者、JA、県(専門技術員、農業技術センター、農業改良普及所)からなるプロジェクトチームで活動しました。
 また、平成25年度には生産者と関係機関での情報共有と検討内容をさらに具体化し充実させるため、研究会活動の開始を提案し、実施を支援しました。さらに、国の試験研究機関や民間企業等とも広く連携して検討しました。


3.普及活動の成果

(1)産地振興ビジョンの検討
 ビジョン策定方針について生産組合の合意を得、生産者による検討・協議が進められました。その結果、産地の中期的な振興ビジョンが策定されました。また、ビジョンの実現のために生産者自身によるSWOT分析を実施し、課題を整理しました。最も重要・緊急に取り組むべき課題として「貯蔵中のショウガの品質安定」に取り組むことで、合意されました。




貯蔵試験の実施と調査

(2)要因究明に向けた調査と改善策の検討
 品質の低下に及ぼす各種条件の影響を調べた結果、畑での病害の発生や収穫時期、調整方法、貯蔵条件等、極めて広範・多岐にわたる要因が関係していることが判りました。
 これらの結果については、順次研修会等で生産者に報告し、情報を共有しました。また、策定した改善策を提案した結果、品質安定に向け現場での活用や導入が始まりました。




PT会

(3)関係機関との連携
 プロジェクトチームによる活動を調整し、生産現場での調査結果と各専門分野のチーム員からのアドバイス等を整理しながら、品質低下に影響する要因を検討しました。
 また、平成25年に「JA高知市囲い生姜品質安定研究会」を発足し、品質安定に向けた取り組みについて検討しました。その結果、生産現場で具体的に実施可能な実証試験や導入を前提とした改善方法について協議することができ、より迅速に現場で取り組みを開始することができました。
 さらに、従来の関係機関に留まらずに民間も含めて広く連携した結果、新たな視点での要因分析や改善策の提案等を得ることができました。


4.今後の課題・展開


研修会

 これまでの普及活動によって、ショウガの品質安定に向けた具体的な取り組みが、生産組合やJAで始められました。今後は、現在取り組んでいる改善策等の効果を現地で検証し、新たな対策構築にフィードバックすることで、さらに品質を高めていきます。