グリーンフォーカス 平成26年9月号
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注意を要する病害虫情報
- キク茎えそ病(平成25年7月特殊報)
<発生経緯>
平成25年5月、県内の施設栽培キクほ場において、CSNVによるキク茎えそ病が初確認されました。
本病は、国内では平成18年に広島県で初めて確認され、平成25年7月現在、23県(本県を含む)で発生が確認されています。
<病徴>
本病は、茎に明瞭なえそ症状を、葉には退緑・えそ症状を生じます。なお、トマト黄化えそウイルス(TSWV)によるキクえそ病の病徴と酷似しているため、病徴からの診断は困難です。
<伝染方法>
CSNVはトマト黄化えそウイルス(TSWV)やアイリスイエロースッポットウイルス(IYSV)と同じTospovirus属のウイルスで、主にミカンキイロアザミウマによって媒介されます。
ウイルスは永続伝搬され、1齢幼虫が罹病植物を加害することによって本ウイルスを獲得し、成虫となってから死ぬまで伝搬する能力を持ちますが、保毒雌成虫から次世代に本ウイルスが伝搬すること(経卵伝染)はありません。
また、罹病株からの挿し穂等による栄養繁殖でも伝染されますが、種子伝染や汁液伝染(管理作業時にハサミや手指等に付着した汁液を介しての伝染)、土壌伝染はしないと考えられます。
<感染植物>
キク以外では、トマト、ピーマン、アスター、トルコギキョウへの感染が報告されています。
<防除対策>
(1)親株には健全株を用いてください。また、発病が見られたほ場の株は、病徴がなくても親株には使用しないでください。
(2)発生ほ場では罹病株を抜き取り、ミカンキイロアザミウマが逃げ出さないように処分して二次伝染防止に努めてください。
(3)ミカンキイロアザミウマの防除にあたっては、薬剤防除だけでなく、防虫ネット被覆などにより侵入防止に努めてください。
(4)ほ場内および周辺の雑草はミカンキイロアザミウマの繁殖場所となるため、施設内外の除草を徹底してください。
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