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グリーンフォーカス 平成25年11月号

農業技術センター茶業試験場 : 2013/11/01

年1回、一番茶のみを収穫する場合の栽培管理技術

はじめに


摘採風景

 県内の茶生産者の90%以上が、従来の一番茶および二番茶の年2回収穫から、一番茶のみを収穫する年1回収穫になってきていますが、一番茶収穫後、秋整枝まで整剪枝をしない。二番茶芽を浅刈りする。二番茶芽を摘採面より高く刈落とす。など栽培管理の方法がまちまちです。また、刈落とす時期や摘採面からの位置も様々です。このことは、一番茶のみを収穫する場合の整枝方法や病害虫防除などの栽培管理技術が確立されていないためです。
 そこで、年1回一番茶のみを収穫する場合、何時の時期に、摘採面からどの位置で刈落とせば、翌年の一番茶が多収で高品質な荒茶となり、省力的な栽培管理になるかを検討しましたので、その結果の概要を報告します。

栽培管理マニュアル


年1回、一番茶のみを収穫する栽培マニュアル

 枝条管理は、一番茶収穫後、7月10日頃(秋整枝を10月20日とした時の100日前)に二番茶芽を一番茶摘採面より1cm高い位置で刈落とします。薬剤防除は、翌年の一番茶の母枝となる三番茶芽に対し、発芽時期(7月下旬頃)とその1週間後(8月上旬頃)の2回行います。また、カンザワハダニの防除を翌年4月上旬に行います(図1)。

茶の収量と品質


枝条管理 荒茶の品質

 7月10日頃に二番茶芽を刈落とすことにより、翌年の一番茶の生葉収量は、慣行と比べ、4年間の平均収量で123%に増加しました(図2)。また、その荒茶の品質は、遊離アミノ酸量が高く、繊維量は少なく、品質評価指数であるAFスコアも高い高品質の荒茶が製造できました(表1)。

病害虫の発生状況


主要病害虫被害の発生状況

 二番茶芽の刈落としと7月下旬〜8月上旬に三番茶芽の病害虫を中心の防除を組み合わせることで、慣行の1/2(3回)に削減しても、主要な病虫害の被害を慣行と同等以下に抑制することができました(図3)。

作業回数と作業時間


作業回数と作業時間

 整枝・摘採作業は慣行の6回が4回になり、防除作業の作業回数は、6回から3回に削減されました。そのため、整枝・摘採作業の作業時間は慣行の65%に、防除作業は45%となり、作業時間としては55%に短縮することができ、栽培管理の省力化が図られました(表2)。

留意点

茶業試験場内での試験結果であり、栽培試験は次の条件下で実施しました。

  • 栽植密度は、畝幅180cm、株間30cm、1条植で、品種は「やぶきた」、樹齢は18年と21年でした。
  • 摘採は、可搬型摘採機、整枝は、可搬型整枝機を使用しました。
  • 施肥は、秋肥、春肥に一茶(14-4-5)、芽出し肥にうまいっ茶(22-0-0)を窒素成分で60kg/10aを施用しました。
  • 防除は、7月下旬にコルト顆粒水和剤とダコニール1000水和剤、8月下旬にカスケード乳剤とスコア水和剤、4月上旬にダニサラバ水和剤を使用しました。

おわりに

 今回紹介した栽培管理マニュアルにより、低コストで高品質な一番茶の安定生産が可能となります。
 今後は、施肥について、肥料の種類や施肥時期の検討を行い、茶栽培における更なる省力化技術の開発に取り組んでいきます。