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グリーンフォーカス 平成25年5月号

病害虫防除所 : 2013/05/01

注意を要する病害虫情報

ウメ輪紋ウイルス(ウメ輪紋病)


<これまでの経緯>

○平成21年4月、東京都青梅市のウメで、ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス (PPV))による植物の病気(ウメ輪紋病)が、日本で初めて発見されました。これまでの調査でPPVの感染が確認された東京都あきる野市や青梅市、兵庫県伊丹市などでは、植物防疫法に基づく緊急防除を実施し、感染のおそれがある植物の移動を禁止するとともに、感染植物の処分を行っています。

○PPVは、我が国への侵入を警戒する重要病害で、モモやスモモなどの核果類果樹にも感染することが知られています。

 

<病 徴>

○PPVの感染が確認されたウメでは、葉にドーナツ状の緑色の薄い部分ができる症状(輪紋症状)や花弁に斑(ふ)が入る症状(ブレーキング症状)などが確認されています。

 

<伝搬など>

○PPVは、アブラムシによって伝搬されるとともに、感染した植物の苗や穂木などの移動により、感染地域が広がります。

○ヒトや動物に感染することはありませんので、果実を食べても健康に影響はありません。

○本病害は高知県では発生を確認してませんが、感染が疑われるウメ、スモモ、モモ、ハナモモなどを発見しましたら、病害虫防除所まで連絡をお願いします(電話番号:088−863−1132)。

 

詳しくは農林水産省のホームページで

http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/ppv/ppv.html



フザリウムナス立枯病(平成24年6月特殊報) 


<これまでの経緯>

病原菌:Fusarium striatum (Haematonectria ipomoeae)

○平成23年5月、高知県の施設栽培ナスで、茎の途中が淡褐色にくびれて、萎凋・枯死する株が見られ、高知県農業技術センターによる菌の分離と接種試験および独立行政法人森林総合研究所による菌の同定の結果、Fusarium striatumHaematonectria igomoeaeによる新病害であることが確認されました。

 本病原菌は、トマトの立枯病を引き起こす病原菌として知られてますが、我が国でナスに対する病原性が確認されたのは初めて。

 

<病 徴>

○初期は、一部の葉が水分を失って緑色を保ったまましおれます。このような株の基部には表皮のひび割れ、陥没が認められ、表面に赤い小粒(子のう殻)が形成されている場合が多いです。症状が進むと枯死することがありますが、萎凋から枯死までには、かなりの時間を要する場合がほとんどです。枝に発生する場合もあり、枝の表面が黒褐色に変色し、発病部より先は枯死します。これまで40戸、20ha以上の感染が確認されています。

 

<伝染方法>

○伝搬様式ははっきりわかっていませんが、土壌中に残った病原菌が感染源になると考えられ、発病後は形成された分生子や子のう胞子の飛散により、二次伝染が起こると考えられます。

 

<防除対策>

(1)土壌くん蒸剤や太陽熱利用による土壌消毒を実施し、第一次伝染源となる病原菌密度を低下させます。

(2)過度の灌水を避けるとともに、暗きょなどを設けて、ほ場の排水をよくします。

(3)発病株は伝染源となるため、発見後は直ちに取り除き、圃場内および野外に放置しないよう注意して、適正に処分して下さい。


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チャトゲコナジラミ(平成24年3月特殊報)


<これまでの経緯>

○高知県農業技術センター茶業試験場が、高知県仁淀川町の茶園にて黄色粘着板によるトラップ調査を実施したところ、チャトゲコナジラミと疑われる成虫が誘殺されました。この成虫を(独)農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所金谷茶業研究拠点を通じて、久留米大学比較文化研究所の上宮健吉博士に同定依頼した結果、チャトゲコナジラミであることが確認されました。本種は、平成16年に京都府で初めて確認され、現在までに静岡県、香川県、熊本県など27都府県で発生が確認されています。なお、本種は当初ミカントゲコナジラミのチャ系統として報告されたが、平成23年3月に新種として登録されました。

 

<生態と被害>

○本種は、亜熱帯起源で明瞭な休眠性や決まった越冬ステージはありませんが、越冬できるのは主に3齢及び4齢幼虫です。

○1世代に要する日数は約45日で、年間3〜4世代を繰り返します。成虫の寿命は約4日間と短いですが、羽化後間もなく交尾し、主に葉裏に産卵します。幼虫は、孵化直後には移動できますが、定着後〜4齢幼虫の期間葉裏に固着し移動しません。被害は、成虫及び幼虫により葉が吸汁加害されるほか、幼虫が排泄する甘露によりすす病が発生します。

○寄主植物は、チャの他に、サザンカ、サカキ、ヒサカキ、シキミ等です。

 

<防除対策>

(1)成虫は黄色に誘引されるため、黄色粘着トラップを茶園に設置し、発生を確認します。

(2)卵・幼虫は葉裏に寄生していることから、深刈りせん枝などにより寄生葉を除去し、密度抑制を図ります。なお、せん枝した枝葉は本種の発生源となるため、放置せず土中に埋設するなど適切に処理します。

(3)本種の発生を認めた園では薬剤(アプロードエースフロアブル、コルト顆粒水和剤など、天敵シルベストリコバチに影響の少ない薬剤を選ぶ)による防除を行います。防除適期は、若齢幼虫の発生時期で、散布前に深刈りせん枝やすそ刈り等を行うと薬剤がかかりやすくなります。

(4)越冬時期には幼虫に対してマシン油乳剤による防除を行います。散布は、寄生の多い下位葉の葉裏にも十分に薬液が付着するよう丁寧に行います。

(5)疑わしい虫の寄生やすす病と思われる症状を認めた場合は、病害虫防除所または最寄りの農業振興センターに連絡をお願いします。 


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