グリーンフォーカス 令和7年2月号
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高知県農業技術センター : 2025/02/01
高知県産ショウガの小袋包装フィルムの薄膜化
- はじめに
高知県では「脱炭素社会推進アクションプラン」において、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、プラスチック使用量の削減に取り組んでいます。また、消費地まで遠い本県の農産物は、鮮度保持のため、プラスチックフィルム包装が必須となっていますが、原油価格の大幅な値上げによるフィルム価格高騰により、生産現場からは資材の低コスト化が求められています。そこで、ショウガの自動包装機に用いる包装フィルムにおいて、現行の厚さ40µmより薄い30µmのフィルムを用いたときの鮮度保持効果を検証しました。
- 包装フィルムの厚さの違いによるショウガの減量率の比較について
厚さ40µmと薄い30µmのフィルムでショウガ100gを逆ピロー包装機を用いて小袋包装し、東京輸送を想定した輸送シミュレーション試験を実施した結果、ショウガの減量率は両フィルムとも包装20日後に約1%で、厚さによる違いは見られませんでした。
- 包装フィルムの厚さの違いによるショウガの品質、果皮色および袋の溶着具合について
両フィルムともに20日後でも傷みや腐敗等の発生は見られず、ショウガ表面の色彩値は同等で、袋の溶着不良もなく、厚さ30µmフィルムに替えても問題ないことがわかりました。
- 資材費およびプラスチックの削減量について
2023年9月時点の試算でフィルム代が40µmに対して、30µmは約10%のコスト削減になります。また、原料のプラスチックの減量にも貢献することができます。
- さいごに
現行より薄い厚さ30µmフィルムの使用は、プラスチックの減量と資材費の低減につながることから、現在ではJA高知県において、ショウガ100gの小袋包装はすべて30µm厚フィルムに切り替わっています。
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