グリーンフォーカス 令和6年11月号
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農業者及び他校と連携した環境制御教育への取組み
高知県立農業大学校では、生産者や高知県立高知農業高等学校、幡多農業高等学校などと連携し、環境制御データを活用した農場実習を進めています。
取組みの背景
農業大学校では令和3年からSAWACHIを導入し、キュウリハウスの環境管理に活用するとともに、学生への教育にも活用してきました。SAWACHIの活用により、学生自身の携帯端末からハウスの温湿度や炭酸ガス濃度を確認するようになり、学生の環境制御への理解が深まり、意識の醸成にもつながっています。
次のステップとして、他の生産者等とのデータ比較を行いたいと考え、高知大学IoP共創センターで開発されたIoPデジタル教材を活用して生産者や高知県立高知農業高等学校、幡多農業高等学校との合同授業を開始しました。
校外との連携
令和3年から高知県Next次世代型施設園芸農業に関する産官学協議会で進めるIoPプロジェクトの一環として、高知大学IoP共創センターで作成されたIoPオンライン講座を活用し、授業を行っていた縁もあり、IoP共創センターで開発されたデータ比較用のデジタル教材について情報を収集できました。
また、開発に携わった農業高校教員とも連携を取り、高知農業高校、幡多農業高校の2校のみでデータの交換等を行っていたデジタルについて、授業充実に協力する形で農大でもトマトハウス環境データも共有することになりました。
モニター設置とデータ提供
モニターはIoP共創センター開発の機器を設置し、令和6年9月からデータ収集を開始しました。データはクラウドを通じて2校及び協力する1生産者と共有しています。
取組みの途中経過と今後の課題
10月24日に、連携4者の顔合わせを兼ねて合同授業が行われました。各校のトマト生育状況をオンラインで共有し、生産者からは「今年は初期の裂果が見られたが、過去のデータと比較すると、天候に対して灌水量が多すぎたと分析している」など、データ分析を活用した事例を紹介いただき刺激的で有意義なものとなりました。次回は2月に予定されています。今後は学生達をデータサイエンスの手法や活用法を修得し、県内の農業現場で活躍できる人材として育成できるよう、日ごろの実習からデータ比較や分析を行わせ、更なるレベルアップを図っていきます。
合同授業で情報交換(10月24日)
生育状況
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