ニラ -定植後の管理-
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定植後の管理
定植後は、収穫開始までに適正な分げつ数を確保するとともに、十分な貯蔵養分を蓄積することが最も重要です。そのためには、定植後の活着を図るとともに株の養成期間を十分取ることが必要です
株養成期間中の管理
潅水
定植が終わると直ちに潅水します。その後も活着するまでは乾燥に気を付け、潅水をします。活着後も、乾燥すると生育が著しく劣るので、日中の高温時を避け気温の下がる夕方に適宜潅水します。
追肥
ニラの生育適温は、20℃前後で7~8月の高温期は生育が緩慢で、分げつ数も僅かしか増加しません。従って、追肥もあまり必要ではありませんが、降雨や潅水によって肥料の流亡するので、葉色や分げつ数を見ながら15~20日に一度を目安に窒素成分2~3kgを施用します。
9月の中旬以降は気温も下がり始め、ニラの生育も旺盛になってきます。この時期に追肥が多すぎると、雨の後急速に分げつが進み、分げつ過多や倒伏の原因となりますので注意が必要です。
適正な分げつ数の目安
ある程度までは、分げつ数が多くなるほど収量は増加しますが、単位面積当たりの分げつ数が450本/平方メートル以上になるとほとんど収量は増加しません。この時の株当たりの分げつ数は表1のとおりです。
表1 株当たりの適正な分げつ数の目安
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注)畦幅220cm、条間30cm、5条植え
倒伏防止
株の養成期間中に倒伏すると、株の消耗が著しく収穫開始後も収量や品質が低下します。分げつ過多や降雨などにより倒伏の危険がある場合には、葉先を10cm程度葉先を刈り取り倒伏を防止します。
花茎の除去
2月以降に播種した苗は比較的少ないが、12月、1月に播種した苗は7月頃から花茎が伸長し始めます。そのままにしておくと、株の消耗が激しいので早めに刈り取り株の充実を図ります。
露地ニラの開花状況
収穫
1回目収穫
定植後120日以上経過して、株の養成が十分できた圃場から収穫を開始します。7月中旬定植の場合は11月中旬を収穫の目安とします。ニラの貯蔵養分の蓄積は生育適温期の9~10月に旺盛となりますので、貯蔵養分の蓄積が十分でない状態で収穫を開始すると品質、収量が低下します。
充実した株の初期生育と高品質なニラ
ビニル被覆
ビニルは10月中旬頃から被覆する。最初は屋根部のみ被覆し、温度に慣らした後サイド部も被覆する。
収穫後の管理
潅水・追肥
刈り取り後、生育の前半に2~3回十分に潅水を行います。生育後半の頭上からの潅水は、病害が発生しやすくなるばかりでなく、収穫後の鮮度が低下しやすいので潅水はひかえる(潅水チューブ等を活用)。
追肥は、収穫から次の収穫までに4~5kgを潅水のつど分施する。肥料は化成肥料のみでなく有機質肥料と混合して施用し、一度に多量の追肥を行うと濃度障害やガス障害発生の原因となるので注意する。
温度管理
日中の温度は25℃を目安に管理する。蒸し込むと、地上部の生育は早いが株の消耗が激しく、収量・品質が低下するばかりでなく、葉先が曲がるなどの生育障害を起こすので注意が必要です。
夜間は10℃程度を目安に管理し、1~2月の厳寒期には2重張り、トンネル被覆をするなどして5℃以下にならないように保温に努める。トンネル被覆をする場合には、日中は除去する。
初期生育と後期生育
収穫・調整
収穫は早朝刈りを基本としますが、厳寒期は夕方収穫でもかまいません。収穫後は乾燥しないようにポリ袋などに入れ、直射日光の当たらない涼しい場所で調整します。調整は元葉の除去を完全に行い、傷葉、古葉等も必ず除去します。
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