2-6.草地の土壌改良目標値(参考)
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こうち農業ネット : 2012/10/30
草地は、一般に生産性の低い土壌で粗放な管理しか行われないことが多い。栽培年数が短い土壌は、酸性でりん酸含量が少ないことが多い。また、家畜糞尿を還元していない圃場では、牧草による収奪量が多いため、牧草栽培中の加里の収支を計算して施肥する。一方、糞尿を還元している圃場では、窒素や加里などが集積しやすい。加里が過剰に集積すると、マグネシウムの吸収が抑制され、マグネシウム含量の少ない牧草を摂取した家畜はグラステタニー症を起こしやすい。このため、K/Mg比またはK/Ca+Mg比に留意し、加里過剰にならないようにする。
草地は、一般に耕起されることは少ないため、栽培年次が進むと地表近くに細根が発達し、根だけの層、いわゆるルートマットを形成する。地上部は刈り取られて圃場外に持ち出されるが、根量が多いため有機物含量は多くなる。また、マメ科牧草を栽培すると土壌中の窒素は富化してくる。
表6-1 草地土壌の改良目標値(北海道)
土壌の性質 |
土 壌 の 種 類 |
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非火山性鉱質土 |
火 山 性 土 |
泥 炭 土 |
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有効根域のち密度(mm) |
24以下 |
- |
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有効根域の粗孔隙(%) |
10以上 |
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地下水位(cm) |
60cm以上 |
60cm以下 |
50~70cm |
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pH(H2O) |
5.5~6.5 |
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有効態りん酸含有量(mg) |
トルオーグ法 |
10以上 |
15以上 |
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ブレイ2法 |
20以上 |
30以上 |
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交換性カリ含有量(mg) |
18~30 |
30~50 |
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交換性石灰含有量(mg) |
200以上 |
140以上 |
400~800以上 |
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交換性苦土含有量(mg) |
20~30 |
30~50 |
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石灰・苦土比(Ca/Mg) |
5~10 |
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苦土・カリ比(Mg/K) |
2以上 |
注
- 適正pHを維持するためには下限値に達する以前に対策を講じる。
- 交換性石灰については、pHを優先させて対策を講じる。
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