就農候補地が決まったとして、そこで就農するための第一歩が農地をいかに入手するかですが、農地は農家の生産手段であると同時に先祖から受け継いだ貴重な財産でもあるため、必要とする農地に関する情報の入手はなかなか難しいのが実態です。この場合には、希望する市町村の農業委員会で紹介してもらうのが早道です。「自ら農業をやりたい」と考えている人であれば、農業への道は開かれています。農地を買ったり借りたりする場合には、農地法などの許可を受けることが必要になります。
　また、許可制であるといっても、実際の取引は相手をよく知っていないとできないものです。就農先の地域において、自分の人となりをよく知ってもらい、農業に対する意欲と営農計画を十分理解してもらって信頼関係をつくることが、希望条件に近い農地を取得する方法といえます。
　さらに、最初からまとまった農地が待っているのでなく、区画整理が済んだ農地以外では１枚が10ａに満たない農地が多いのが現状ですから、当初は農地の枚数が多くとも面積の確保を図り、年数を経るうちに先ほどふれた地域での信頼関係を築きながら、次第に団地化していくことになるでしょう。
　農地の取得の方法としては、買い取るケースと借り入れるケースが考えられますが、新規就農者の場合、初期投資を抑える意味からも借り入れることの方をお勧めします。


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