ピーマン・ししとう ハモグリバエ類
>> ホーム >> ピーマン・ししとう ハモグリバエ類
病害虫情報 : 2012/10/17
高知県 病害虫・生理障害台帳

被害株

被害葉;幼虫が葉肉部を食害し、エカキ症状になる。
作物名
ピーマン・ししとう
一般名称
ハモグリバエ類
学術名称
Liriomyza sativae
Blanchard、
Liriomyza trifolii
(Burgess)、
Liriomyza bryoniae
(Kaltenbach)
症状
トマトハモグリバエやマメハモグリバエ、ナスハモグリバエなどが発生するが、通常、ピーマンでの発生は稀で問題となることは少ない。
いずれも幼虫(ウジ)が葉に潜って食害するため、くねくねとした線状の食害痕が葉面に現れる。そのため「絵かき虫」と呼ばれることもある。発生量が少なければ実質的な被害は少ないが、多発すると食害痕が葉の全面に広がり、枯死、落葉して減収を招く。果実には寄生しない。産卵は充実した葉に行われ、展開間もない未熟葉には行われない。したがって、被害葉は下葉から上葉へと進展する。
雌成虫は発達した産卵管で葉面に穴をあけ、汁液の摂取や産卵を行う。こうした摂食・産卵痕は葉面に白っぽい1mmほどの小斑点となって残る。
発生条件
いずれの種とも寄主範囲は広く、マメ科、ナス科、ウリ科、セリ科、アブラナ科、アオイ科、キク科(ナスハモグリバエを除く)など、多岐にわたる。
1世代の所要日数は、トマトハモグリバエが20℃で約27日、30℃で約14日、マメハモグリバエが20℃で約25日、30℃で約13日、ナスハモグリバエが20℃で約21日、30℃で約16日である。施設栽培における年間の発生回数は、いずれの種とも10回以上と推定される。
幼虫は葉肉内を食害しながら潜行し、3齢を経過すると葉の外に出て地表に落下して地表面や浅い地中で蛹になる。なお、トマトハモグリバエは葉上で蛹になる場合もある。
成虫は黄色に誘引される習性がある。
対策
(1)苗からの持込みを防ぐ。
(2)黄色粘着トラップを設置し、成虫の早期発見に努める。
(3)施設栽培では開口部に防虫ネット(目合い1mm程度)を張り、成虫の侵入を防ぐ。また、紫外線カットフィルムも成虫の侵入を防ぐ効果がある。
(4)雑草にも寄生することから、ほ場内外の除草を行う。
(5)既発生の施設栽培ほ場では、栽培終了後あるいは改植時に土壌消毒や蒸し込みを行う。
(6)寄生を受けた植物残さは、土中深く埋めるなど適切に処分する。
ツイート