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2-4.果樹園の土壌改良目標値

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こうち農業ネット : 2012/10/31

表4-1   果樹園土壌の改良目標値(高知県)



   土壌の性質
             
 

     土  壌  の  種  類

 砂 質 土 

 壌質~強粘質土

  黒ボク土

砂丘未熟土  
 

褐色森林土、黄色土、暗赤色土、赤色土

多湿黒ボク土、灰色低地土下層黒ボク

主要根群域の厚さ(cm)

          60以上  

主要根群域の最大ち密度(mm)

            22以下

主要根群域の粗孔隙率(%)

            10以上

主要根群域の透水係数(cm/秒)

            10-4以上

主要根群域の易有効水分含有率(%)

             5以上

腐植含有率(%)

  2以上  

  3以上

   5以上

pH(HO)      

           5.5~6.5

陽イオン交換容量(me)

  8以上

 12以上

  15以上

     
塩基状態
     

 

塩基飽和度(%)

       60~90

  50~90


塩基組成
 

カルシウム、マグネシウム及びカリウム含有量の当量比が

  (65~75):(20~25):(2~10)であること

有効態りん酸含有量(mg)  
 

             10~40

  1. 灰色低地土下層黒ボクは、作土にも黒ボク土が混入しているので、黒ボク土に分類した。
  2. 作物別のpHは表4-2を参照のこと。
  3. 腐植含有率は、全炭素含有率に1.724を乗じて得た数値である。
  4. 陽イオン交換容量は、塩基置換容量と同義で、pH7における測定値を乾土100g当たりに換算したものである。
  5. 有効態りん酸は、トルオーグ法による分析値を乾土100g当たりに換算したものである。
  6. カリウム(K2O)の含有量は乾土100g当たり最低15mgとする。

(1)主要根群域の厚さ

 栽培圃場の選定に際しては、できるだけ有効土層の深い場所とする。植え付け前には、植穴または畦を中心に深耕を行う。この場合、深耕の効果を安定させるため、堆肥、わら等の有機質の土壌改良資材を投入する。
 既存の樹園地の多くは侵食を受け易い傾斜地に分布しており、しかも、ブルドーザ開園などによって表土が削られている場合が多い。したがって、既成園における土壌管理では部分的な深耕と有機物の施用などにより、根群域を拡大することが必要である。

(2)主要根群域の最大ち密度

 果樹は長期間にわたって同じ場所で栽培されるので、主要根群域の物理的性質の良否は生育に大きな影響を及ぼす。優良園は不良園よりも主要根群域が厚く、最高ち密度は20~24以下が多い。ち密度がこれ以上になると根の伸長は明らかに阻害される。
 

(3)主要根群域の粗孔隙率

 粗孔隙は、水で飽和した後の土壌から水が流出したために生じた孔隙、つまり、重力にさからっては水を保持することができない大きさの孔隙である。pF1.5の気相率で示すことが多い。
 粗孔隙量は根の伸長と密接な関係があり、粗孔隙量が一定の値よりも小さくなると根群の分布は急減する。果樹園における主要根群域の粗孔隙率は10%以上、易有効水分保持量は深さ60cm当たり30mm(5%)が改善目標となっている。粗孔隙率は心土破砕や深耕、有機物の施用などによって、比較的容易に増大させることができる。
 

(4)主要根群域の透水係数

 排水不良な圃場では、根痛みや土壌病害の発生を招きやすいので、透水性の改善が必要となる。透水性は、土壌の物理性、特に粗孔隙率や地下水位の高さと密接な関係がある。
 透水性が悪い圃場では、暗きょの施工や有機物施用によって土壌物理性の改善を行う。
 

(5)主要根群域の易有効水分含有率

 易有効水分は、土壌に保持されずに下方に流れる重力水や、作物が吸収できないほど強い力で土壌に結合している水を除き、作物が比較的容易に吸収できる水分のことである。
易有効水分含有率を高めるためには、 耕うん時に堆肥類およびベントナイトなどの保水性に富  む土壌改良資材を施用する。また、わら類等で樹間の被覆を行い、有効水分の確保に努める。
 

(6)腐植含有率

 土壌中の腐植は、土壌の易耕性や緩衝能、微生物活性を高めるなど、土壌の生産力にとって重要な役割を果たしている。腐植含量を一挙に高めることは困難であるが、腐植が少ない土壌では堆肥やわら等の有機質資材を施用する。また、草生栽培やわら類等による樹間の被覆なども有効である。
 

(7)pH

 土壌pHが高いと鉄や亜鉛、マンガンなどの欠乏症などが発生しやすい。逆にpHが低すぎると、マンガンなど重金属類の過剰症の発生が多くなる。
 土壌pHが低い場合には、石灰質資材の施用などによってpHを矯正する。一方、塩基の集積によってpHが高くなっている場合には、pHが適正になるまで石灰質資材の施用を中止する。
 


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(8)陽イオン交換容量

 陽イオン交換容量が大きい土壌では、保肥力が大きく、濃度障害を受けにくくなる。陽イオン交換容量は、土壌の粘土や腐植の質および量によって左右され、その値を大幅に高めることは容易ではない。しかし、有機物の補給や優良粘土の施用などを行うと少しづづ増大する。
 

(9)塩基状態

  pHが低い土壌では、一般に塩基含量が少ない。塩基バランスに注意して、不足している塩  基を補給する。その際、土壌表面への施用だけでなく、樹間を掘削して施用すると効果が高まる。
 


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(10)有効態りん酸含有量

 pHが低いほ場では熔成りん肥などアルカリ性の肥料を施用する。過りん酸石灰は速効性で  あるが、土壌pHを低下させるので、pHの低い土壌での使用は控える。極力断根を避けながら  樹間を掘削して施用すると効果が高まる。
 




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