2.栽培技術(トルコギキョウ夏秋出し栽培(中山間地))
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1)育苗
10aあたり、育苗面積20平方メートルを準備する。
種子は形態によってバラ種子(コーティングしていないもの)とコーティング種子がある。
ア.バラ種子の場合
準備するものは10aあたり、市販の育苗箱(幅30cm×長さ45cm×深さ8cm)か排水の良いトロ箱を75箱。用土を愛菜25袋(1袋が3箱分)。バラ種子(1袋2ml:27,000粒)5袋。ふるいを通した川砂を種子2mlあたり、さかずき1杯分。
種子は1袋あたり育苗箱15枚に播種するために等分し、それぞれの種子に少量の川砂を混ぜておく。育苗箱に土をいれ、あらかじめ十分に底面吸水させておく。川砂と種子をよく混ぜながら、育苗箱全体にばらまきする。
イ.コーティング種子の場合
準備するものは10aあたり、684穴のペーパーポットおよび稲育苗箱。愛菜を20袋(1袋/4枚)。コーティング種子(1袋10ml:3,500粒)15袋。
ペーパーポットに土をいれ、育苗箱に並べる。専用の播種機や手作業で1穴1粒播種する。
ウ.播種から発芽までの管理
播種後、育苗箱はポリフィルム等で密閉し、発芽までの保湿と保温に努める。さらにポリフィルム等でトンネルを作り保温する。加温施設がない場合には、電熱線で保温し、厳寒期に夜温が下がる時には、夜間トンネルの上に、もう一枚保温資材をかけ、夜間の温度低下を防ぐ。なお、播種後7~10日で発芽するように最低夜温は、12℃を確保する。発芽までの期間が長いと、藻の発生や床土の乾燥による発芽不良、それ以後の生育不良を引き起こすため温度管理には、十分気を配る。
エ.発芽後の管理
発芽間もない頃には、底面吸水での水分補給を行う。特に、ペーパーポットでは乾燥しやすいのでこまめに管理を行う。また、コーティング種子は、一度乾くと、コーティングが固まり発芽不良になるため絶対に乾かさないようにする。追肥は、生育状況を見ながら、数回施用する。
3月以降の日差しが強い日などに、トンネル内が高温になる場合には、寒冷紗で覆う。
バラ種子の場合には、間引きを行い、良質な苗にする。1箱あたり700~800本を残すように、2回ほどに分けて行う。
育苗後半からは、丈夫な苗になるように換気を十分行う。定植が近づくと、なるだけ外気温に慣らし、苗の硬化を行う。
2)定植準備
元肥として10a当たり堆肥3t、三要素を成分量で10~15kgずつ施しておく。定植前には、圃場に十分潅水し、湿らせておく。
3)定 植
丈夫に育った本葉4枚の苗を定植する。
栽植密度は10a当たり40,000~50,000本とし、株間12cm、条間12cmの、6~8条植えが好ましい。植え付けに際しては、根長が長く、根量が多い苗を選び、なるべくまっすぐに植え付ける。
定植後は、黒寒冷紗で覆うなどして、水分の蒸散を抑える。この作型では、春先の冷え込みによって活着不良やロゼットになりやすいため、特に定植前から活着後までは最低12~15℃の地温を確保するようにする。雨よけ栽培でも、活着するまでは、夜間サイドを閉めて保温する。また、活着までの潅水はなるべく日中の気温の高い時期に行い、急激な地温の変化を防ぐ。
トルコギキョウの栽培では、定植から1ケ月間の管理が品質を決定する最も大切な時期であるので、特に、水管理、温度管理には十分気を配る。
4)定植後の管理
苗が十分活着したら、低い温度管理とし、ボリュームがでるようにゆっくり育てる。潅水は、出蕾までは十分行い、乾燥しないようにする。
この作型では、葉先枯れしにくい品種でも葉先枯れをするため、天気の変化の激しい梅雨明け時期から、出蕾前後の葉先枯れしやすい生育時期には、日中の軽い遮光や十分な換気、葉水の散布などを行う。また、葉先枯れの発生後には、灰色かび病が発生するので防除の徹底を図る。
追肥は、生育に応じて数回行うが、葉先枯れ症発生前には、施用しない。
出蕾後からは水、肥料は徐々にひかえ、樹が軟弱にならないように栽培する。また、
開花をそろえるため、一番花はできるだけ早く取り除く。
病害虫防除は、ヨトウムシ、スリップス、アブラムシ、灰色かび病の防除を行う。
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