グリーンフォカス令和8年11月号
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仁淀川町の茶産地の振興へのとりくみ
- 1 地域の現状
仁淀川町は高知県内最大の茶産地ですが、1990年頃から2024年までの荒茶価格の長期低迷により、生産者の高齢化や後継者不足が進んでいます。茶園面積も1995年の275haから2022年には55haまで減少してるのが現状です。
このような状況を受け、仁淀川町では令和5年度に「仁淀川町茶・生産・販売振興計画」を策定し、茶栽培面積の維持や担い手確保、小売販売の拡大、輸出促進を目標に茶業振興を進めています。そこで、関係機関と連携しながら、販売拡大や担い手育成、生産拡大に向けた取組への支援を行っています。
- 2 活動の内容
(1)輸出に向けた支援(令和6年度~令和8年度)
令和6年4月にタイからのモニターツアー開催に合わせて、一番茶の摘み取り体験の支援を行いました。その後、毎年8月にタイで開催される「日本博」において、仁淀川町職員、茶生産者及び県職員が茶の市場調査や情報収集を行い、その内容を連絡会で共有しています。また、仁淀川町産茶の輸出に向けた情報収集のため、JETRO高知や高知県地産地消・外商課 輸出振興室、農産物マーケティング戦略課の担当者を紹介をして関係機関との連携を深めました。
図1 モニターツアー茶摘み体験
(2)地域おこし協力隊(令和6年度~令和8年度)
地域おこし協力隊(ミッション「茶+α」)が茶業への理解を深め、将来的な担い手として活躍できるよう、高知県農業担い手育成センター(以下「育成センター」)での研修や紅茶・ほうじ茶の製造研修を提案し、実施しました。また、茶業試験場や紅茶製造農家での研修を通じて、紅茶の製造技術や茶業の歴史、テイスティング、荒茶審査研修に関する知識の習得を支援しました。さらに、「+α」の組み合わせ品目の取組としてユズ等の栽培についての研修も実施し、研修成果チェックシートを活用して習熟状況を確認するとともに、関係機関との情報共有を行っています。
図2 ほうじ茶研修
図3 荒茶審査研修
図4 ユズの栽培についての研修(座学)
図5・6 地域おこし協力隊と関係者による摘採研修
図7 先進産地研修
(3)茶の生産拡大(令和7年度~令和8年度)
管内の秋冬番茶生産量が減少する中、実需者からの増産要望に対応するとともに、これまで刈り捨てられていた秋冬番茶の販売拡大を図るため、令和7年5月にJA高知県佐川支所及びJA佐川支所茶生産部会と連携し、仁淀川町産秋冬番茶の出荷条件や課題について確認・調整を行いました。また、出荷に伴うリスクや市場動向について茶生産者へ情報提供を行い、出荷に向けた意向把握を行い出荷を実現しました。さらに、令和7年度の二番茶価格高騰を受けて、仁淀川町産二番茶の出荷について関係者で協議を行い、令和8年度の出荷拡大に向けた検討を進めました。
- 3 地域の動きや取組の成果
(1)輸出に向けた支援
町との連絡会でタイの「日本博」で緑茶のし好調査や茶の文化紹介を行うことで、仁淀川町の茶に関心が高まり、タイの大学教授の来町やタイでの通訳を行ってもらうなど、友好的な関係構築につながっています。また、モニターツアー参加者や「日本博」開催関係者との人間関係も深まり、タイでの「日本博」では今年の来場者は約13.9万人で、茶のアンケート回答は88件となり仁淀川町産の茶の販路拡大への貢献などの情報収集を行い、普及として支援しています。
(2)地域おこし協力隊
令和8年10月1日に「茶+α」ミッションの地域おこし協力隊1名が着任し、地域おこし協力隊は5名となりました。着任後は、育成センターでの農業基礎研修や先進ユズ産地での研修、高知県茶品評会への参加、茶市場の見学などを実施し、茶業試験場での紅茶・ほうじ茶の製造研修や、紅茶製造農家での紅茶の歴史やテイスティング研修を通じて、紅茶やほうじ茶の製造販売に関心を寄せる地域おこし協力隊も出てきています。
図7 高知県茶品評会
(3)茶の生産拡大
仁淀川町産秋冬番茶のJA佐川支所茶工場への出荷者数が、令和7年産の3件から令和8年産は7件へ増加しました。また、二番茶についても令和8年産から5件がJA佐川支所茶工場へ出荷することとなり、出荷者の生産・販売拡大につながっています。
また、町内の茶業振興を進めるには、茶業に係わる関係者が連携し、一体となって取り組むことが重要であり、茶生産農家、農業法人、茶製品販売業者及びJA茶生産部会等で構成する「仁淀川町茶業研究会」の設立を支援しました。その結果、令和8年3月に茶業研究会が設立され、関係者が茶業振興に向けた課題や取組について協議する体制が整いました。
- 4 今後の展開
地域おこし協力隊5名のうち、1期生2名の任期は令和9年6月末で終了する予定です。
任期終了後も地域に定着し、円滑に就農できるよう、関係機関と連携した支援を継続してきます。
また、在任中の協力隊に向けては、引き続き茶業研修を通じて任期終了後の茶業への関わり方や就農形態の早期具体化を促します、その上で、一人ひとりの希望に沿った研修や情報提供を推進し、地域に根ざして活動する就農者の増加を図ります。
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