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グリーンフォーカス 令和2年2月号

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農業技術センター茶業試験場 : 2020/02/01

「やぶきた」の二番茶を活用した半発酵茶の製造技術


  • はじめに

 近年、荒茶価格の低迷により二番茶の不摘採園が増加し、生産者の所得減少の一因となっています。そのため、二番茶の活用方法として、消費市場で需要の高い半発酵茶への利用が生産者等より求められました。しかし、半発酵茶は海外を中心として好適品種を原葉に専用ラインで製造されており、国内での煎茶用品種に適した製造技術は確立されていませんでした。
 そこで、高知県の主要品種で煎茶用品種の「やぶきた」の二番茶を活用した、半発酵茶の製造技術を開発しましたので、その概要を紹介します。


  • 製造方法

「やぶきた」の二番茶を利用した半発酵茶は、日干萎凋、室内萎凋および揺青、殺青、揉稔、並びに乾燥の工程よりなる方法(図1)により製造します。


図1

  • 試作結果

 この方法により試作を行った結果(試作方法は表1)、写真1の様な形状の荒茶が得られ、荒茶・仕上げ品質は以下のとおりでした。


表1


写真1

1)荒茶
 花香はわずかに感じられる程度で、官能的な強度は文山包種茶の30%でした。緑茶で感じられる緑の香りは、全く感じられない程度、うま味・甘みはわずかに感じられる程度で、浸出液の遊離アミノ酸量は煎茶の26~45%でした。渋みはやや感じられる程度で、浸出液の総ポリフェノール量は煎茶の64~65%である(図2、表2)。発酵由来の特有の味がありました(強度評価なし)。


図2
表2

2)仕上げ茶
 官能評価は、1、2煎とも、花香はわずかに感じられ、緑の香りおよびうま味・甘みはほぼ感じられず、渋みはわずかに~やや感じられる程度でした(図3)。発酵由来の特有の味がありました(強度評価なし)。
嗜好性評価は、市販ウーロン茶飲料よりやや低いが、平均では両方ともやや好き程度であり、良好でした(図4)。


図34

  • おわりに

 今回紹介した製造技術により、「やぶきた」の二番茶を活用した半発酵茶の安定生産が可能となりました。この技術を利用し、昨年から、JA高知県佐川支所で半発酵茶の生産が始まり、この茶を利用して新商品(写真2)が販売されています。


写真2



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