高知市の農業
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当普及所は高知市の農業振興に取り組んでいます。管内の農業産出額はおよそ150億7千万円、高知県の13%程度を占めています。
地理的には高知県のほぼ中央部に位置し、南には太平洋がひらけ、北には四国山地を配しています。そのため、南部沿岸、中部平坦、北部中山間地帯それぞれの生産環境に応じた多彩な農業が行われています。
地帯別農業の概略
高知市の地帯図
○南部沿岸地帯
南部沿岸地帯では、早くから野菜、花きの施設栽培が行われており、現在もキュウリ、トマト、メロン、ハウスショウガ、ユリ、グロリオサなどのハウス栽培が盛んです。
○中部平坦地帯
県下最大の穀倉地帯で、超早場米地帯として農作業の受託などによる稲作の規模拡大が進んでいます。また、水田にハウスを建設し、野菜(イチゴ、ミョウガ、軟弱野菜等)、花き園芸の導入も進んでいます。
○北部中山間地帯
ショウガ、シシトウなどの露地野菜やユズ、四方竹等に加え、ミョウガや花きの施設園芸が導入され、より収益性の高い農業、中山間で生活できる農業を目指した取り組みが行われています。また、イタドリ(山菜)の生産・加工が増えています。
部門別農業の概略
○水稲
水稲は管内共通の基幹作物です。なかでも、中部平坦地帯は「南国そだち」、「コシヒカリ」などの品種による早期栽培が行われ全国有数の超早場米産地として知られています。平成30年からは、高温耐性に優れ、食味評価の良い高知県育成品種「よさ恋美人」の栽培にも取り組んでいます。
現地検討会 よさ恋美人
○野菜
野菜は農業産出額の大部分を占める最も重要な部門です。
施設野菜ではキュウリ(県内生産量1位)、メロン(4位)、ハウスショウガ(1位)、露地野菜ではショウガ(3位)などが主要な品目となっています。
当普及所では、県下最大の産地をもつキュウリを重点課題として、環境制御技術の普及による収量向上、IPM、GAP、担い手の確保・育成等に取り組んでいます。また、露地ショウガでは土壌病害対策と貯蔵ショウガの腐敗対策、新ショウガでは産地の維持のため、実態把握と栽培マニュアルの作成に取り組んでいます。

露地ショウガ 新ショウガ キュウリ
○花き
管内は、県下の花き生産量の約21%を生産しており、日本でも有数の産地です。
グロリオサやオリエンタル系を中心としたユリ類が主要な品目となっており、他に洋ランやキク等が栽培されています。なかでも、三里地区で栽培されているグロリオサは、全国一のシェアを誇り、輸出や新品種の開発にも取り組んでいます。

グロリオサ
○果樹
北部中山間地帯はユズが主要品目となっています。生産基盤の維持、安定生産、スマート農業等重点課題として取り組んでいます。その他の品目ではナシ、スモモが県下トップクラスの栽培規模をもちます。なかでも高知市の新高梨は全国的にも高級果実として有名で、「まるはり」ブランドとして売り出しています。
スモモ ユズ 新高梨
○その他の部門
北部中山間地帯では秋に収穫する小型筍の四方竹が栽培されており、中山間地帯の振興作物として生産、加工、流通の改善に向けた取り組みが行われています。
近年では、イタドリ栽培およびその加工品の生産に力を入れています。このほか、地元食卓へ鮮度の高い葉菜類等の食材を供給する市街地近郊型農業、日曜市をはじめとする曜市を通じて消費者に直接販売を行うなど、工夫に満ちた農業経営が展開されています。
四方竹 イタドリ
○集落営農
当管内では10地区が集落営農に取り組んでおり、旧高知市に5組織、旧土佐山地域に4組織、旧鏡地域に1地域が活動を行っています。そのうち、旧鏡地域の梅ノ木ファームは、平成30年に農事組合法人となり、水稲をはじめ、イタドリ、ソバなどの特産物の栽培による地域の農地を守る取り組みを進めています。他の組織は、機械の共同利用や、共同での栽培など任意組織で活動しています。
研修会の様子 農事組合法人 梅の木ファーム
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