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新しい病害虫 VOL.2 ハウスピーマン、シシトウの白化症状

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病害虫防除所 : 2013/06/20

害虫名:シルバーリーフコナジラミ


学名:
Bemisia argentifolii
Bellows and Perring

発生経過と被害状況

  1. 平成14年6月、南国市浜改田の促成ピーマンハウスで果実及び茎葉全体の白化(退緑色)が見られ、白化株にはシルバーリーフコナジラミの発生が見られていました。
    平成14年11月頃より、南国市南部の促成ピーマン、シシトウ栽培地帯で同様な症状が発生し、白化による品質低下で出荷できない果実も見られていましたが(写真1、2)、防除によりシルバーリーフコナジラミの密度が低下すると、白化症状は改善されました。
    シルバーリーフコナジラミによる作物の被害としてトマト、カボチャ、セルリー、ハクサイなどで退緑色、白化などの異常症状が報告されていますが、県内のピーマン、シシトウでは確認されていませんでした。
    現時点では今回のーマン、シシトウの白化症状がシルバーリーフコナジラミの寄生によるものと断定はできませんが、現在、天敵導入等により全般的に殺虫剤の使用回数が減り、本虫の発生が増加傾向にあるため、新たな地域での白化症状の発生が懸念されています。

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ピーマンでのシルバーリーフコナジラミの発生と白化症状
上段:シルバーリーフコナジラミ寄生株のシシトウ果実
下段:同一ハウスでの未寄生株のシシトウ果実

シルバーリーフコナジラミについて


形態

 成虫の体は淡黄色で翅は白色、体長は0.8mm程度。オンシツコナジラミと比較すると体色はやや濃く、また、やや小さく細めです。
また、終齢幼虫(蛹)は長さ0.8~1.0mm、幅0.6~0.8mmのだ円形で、皿を伏せたように外縁は滑らか。体色は淡黄色で、数本の対をなした長い毛があります。一方、オンシツコナジラミの体色は乳白色で、全体がふくらみ、厚みを帯びたコロッケ状となり外縁は切り立って見えるため、区別は容易です。
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シルバーリーフコナジラミ成虫(左)および蛹
オンシツコナジラミ成虫(左)および蛹

発生生態及び被害

本虫は卵、幼虫(1~3齢)、蛹(4齢)を経て成虫になります。ふ化直後の1齢幼虫は歩行を行いますが、その後は固着生活に入り移動しなくなります。卵から幼虫までの期間は25℃条件で約23日。
本県では主にトマトやキュウリ、メロンなどで発生していましたが、ピーマン類でも数年前より発生が認められるようになっていました。他にもカボチャ、フキ、ホウレンソウ、イチゴ、キャベツ、ブロッコリー、レタス、ナス、ダイズ、アスター、パンジー、セイタカアワダチソウなど多くの植物に寄生します。
本虫による被害には、
(1)成幼虫の吸汁害による生育阻害
(2)成幼虫の分泌物に発生するすす病による葉、果実の汚れ及び光合成阻害
(3)各種作物に発生する退緑色、白化などの異常症状

などがあります。

防除対策

  1. 苗からの持ち込みに注意する。
    施設栽培では、開口部に寒冷紗(1mm以下)を張り侵入を防止する。
    雑草に広く寄生し発生源となるので、ほ場周辺の除草を徹底する.
    植物残渣は発生源となるので、土中に埋めるかビニール等で覆う。植え替え時は残っている成虫を殺すため、ハウスを数日間蒸しこむ。
    現在、ピーマンでの本虫に対する登録農薬はないので、他害虫との同時防除等で対応するか、非散布型ピリプロキシフェン剤などを利用する。


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平成15年3月 高知県病害虫防除所作成


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