ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインメニューへ

新しい病害虫 VOL.3 シシトウ葉枯細菌病(仮称)

>> ホーム >> 新しい病害虫 VOL.3 シシトウ葉枯細菌病(仮称)

病害虫防除所 : 2013/06/20

シシトウ葉枯細菌病(仮称)

学名

Pseudomonas cichorii(シュードモナス・チコリ)

発生作物

シシトウ

発生経過

平成15年3月に幡多郡十和村の育苗中のシシトウで病害と思われる障害が発生し、高知県農業技術センターで接種試験及び病原菌の性状調査を行った結果、P.cichoriiによる新しい細菌病であることが明らかとなりました。
その後、現地での露地シシトウにおける調査により、同村及び同郡大正町の定植後のほ場(品種:土佐じしビューティー)でも発生を確認しました。

病徴

葉には黒褐色・不整円形で場合によって輪紋状となる病斑を生じ(写真14.15)、このような病斑は中心が薄く破れやすくなります。病斑は葉縁、葉の中心部など関係なく発生し、また茎に黒色すじ状の病斑を生じる場合もあります。
image image

写真14:輪紋状の病斑(斑点病に似る)
写真15:葉先での症状

病原菌の形態、性質

桿状細菌の1種で数本の鞭毛を極性し、グラム陰性の好気生菌です。普通寒天培地上で円形、白色の集落をつくります。生育適温は30℃前後です。

伝染

詳しい伝染経路などについては未調査ですが、罹病残さなどで増殖した病原細菌が土壌中に残り、雨水のはね上がりなどによって感染すると思われます。発病の適温は15から25度と考えられます。

防除対策

  1. 多雨条件で発病しやすいので、露地栽培では長期間の降雨後は薬剤により他の細菌性病害との同時防除を行う。なお野菜類に農薬登録のある炭酸水素ナトリウム・銅水和剤、銅水和剤の防除効果が高い。
    接種試験の結果では品種により発病程度に差があり、"土佐じしビューティー"や"つばきグリーン"は"土佐じし"より発病しやすいので、多発ほ場では品種の選定に注意する。
平成16年3月 高知県病害虫防除所作成


PAGE TOP